私は女の子!! ページ20
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「あ。そうそう、それともう一つお渡しするものがあるんでした」
「「『?』」」
「Aさん、ユウさん。明日からはこの制服を着て登校するように」
そう言って手渡されたものは、黒が基調とされたブレザー式の制服。
片腕にリボンが巻かれており、結構可愛らしいデザインだ。
だが、一つ問題が発生した。
「簡単な必要品は既に用意していますので、他に必要なものがありましたら、学園内に購買部がありますのでそこで調達して下さい」
『……』
「わかりました。…A?」
「おや、何かわからない点がありましたか?」
手渡された制服は質はいいし、デザインも申し分ない。上がブレザーなのも初めて着るし、新鮮でいい。
だがしかし、だ。
何故_______下がズボンなのか。
…どう見てもズボン、だよね?
いや嫌いじゃないよ?ズボン。
けどさ、一般的な学園の制服としては、普通さ…女子ってスカートを履くもんじゃないの?
え、なに。
私、男として認識されてた…と?
…いやさ、自分でもわかってるよ?
私って中性的な顔立ちだと思うよ?
けどさぁ……それくらいさぁ……見てわからんないもんかなぁああ??
ズボンをぎゅうっと握り締めていると、それを見たユウ君がハッとした。
そしてやや気不味そうに、私に耳打ちをする。
「その…さっきも聞こうとしてたんだけど、Aって……女の子、だよね?」
『!!』
「やっぱり…女の子だったんだね」
ユウ君の言葉に嬉しさしかない。
やっぱり…ってことは、結構前から気付いてくれてたってこと!?そう言うこと!?
え、やばい。嬉しい。最高。好き。
ありがとうユウ君。やっぱこんなカラス野郎じゃ駄目だわ。
ユウ君への好感度が急上昇中、学園長はそんなユウ君の声が聞こえたらしく、「え」と固まっていた。
その反応は私に失礼じゃないのか。
「お…女の子?異世界人な上に女の子ォおおおおお!!?」
「女だからってなんか問題があるんだゾ?」
ぐ、グリム…!お前って奴は…!
ありがとう…私の言いたい事を代弁してくれて…。
明日もいい子だったら、ツナ缶買ってあげる。
なんて、思っていたら学園長が爆弾発言をしやがった。
「何故女子生徒が!?ここ、ナイトレイブンカレッジは歴とした
___________男子校ですよ!!?」
『……な、ナンダテェ?』
通りで入学式の時、男子多いなぁ…と思った訳だ。
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作者名:サヒア | 作成日時:2020年5月7日 2時