9人を照らし続ける太陽 Ⅶ (ページ46)

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大切な日ページ46

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『よし！』

目の前のダイニングテーブルには普段作らないような豪勢な食事、そして冷蔵庫には二つのモンブラン

彼が帰ってくるまでに時間はあるのでYouTubeを見ながら待つ

『これも喜んでくれるかなぁ…』

ローテーブルに置いた小さな箱

つんつんしながらボケっとしてれば彼が帰ってきた音がして急いで隠して電気を消す

佐「ただいま、A～？ありゃ寝ちゃったあ？」

パタパタとリビングに来る音がして少しだけ緊張する

佐「ケーキ買ってきたのになぁ…」

そう言ってリビングに入ってくるなりあれ！？なんでいんの！って驚いてる彼

『おかえり、だいくん』

佐「え！目悪くなっちゃう！電気付けなきゃ！」

『ふはは！大丈夫だよ！…それよりだいくん』

何？と電気を付けながら返事をした彼に抱きつく

『入所15周年おめでとう。事務所に入ってくれてありがとう…あの時やめないでくれてありがとう……だいすき。』

恥ずかしさから少しだけ早口になってしまったこの言葉に彼は嬉しそうに声を弾ませて

佐「あー、めちゃくちゃ嬉しい。ありがとうA」

Aも辞めないでくれて、それに生きる事を選んでくれてありがとうと私に向き直って抱きしめ直した彼

『んへへ、……あ、ご飯たくさん作ったから一緒に食べよ？』

佐「まじぃ！？やった！あ、俺さケーキ買ってきたの、後で一緒に食べない？」

『私もね～買ったの(笑)』

え！？と驚いた彼はにやにやしながら何買ったかせーので言おうって言い出してふたりして声を揃えて

「『モンブラン』」

なんて言ったから顔を見合わせて吹き出した

『もしかしてあの路地裏の？』

佐「え？そう！(笑)仕事終わりに急いで寄ってふたつ買った！(笑)」

『私も今朝行ってきてそこでふたつ買った(笑)』

俺ら考えること一緒だね、なんて笑い合いながらご飯をつついて

順番にお風呂に入って、髪を乾かし合いっこして

いつもと変わらない日常を過ごして

二人ソファに並んでモンブランを食べながらアニメを見てのんびりして

『だいくん、プレゼントあるの』

そう言って彼に差し出したのは先程隠した小さな箱

佐「ん？何これ？プレゼント、、えっ？なに？！」

『開けてみて？』

佐「……ねぇ、ほんとに…さ………」

『…好きだよ、大好き。』

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