9人を照らし続ける太陽 Ⅶ (ページ44)

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阿部side

珍しくゆっくり現場入りした俺、と言っても5番目くらいで中間だったからまだいいんだけど

そんな事より、今楽屋の中は少しだけカオスで

『やだやだやだやだやだああ！』

佐「いいから飲んで！」

渡「まじでお前飲めつってんだよ！逃げんな！」

珍しく二人から逃げ惑うAとそれを見てケラケラ笑ってる実兄ふっか

岩「っす、…って何あれ」

「多分月のやつ」

岩「あー、……ってあんな逃げてたっけ」

「俺も初めてだよあんな逃げてんの」

今までその、女の子の日になったら舘さんにピッタリくっついて、舘さんに言われるがまま薬を飲んでたA

ただ、この３人の関係性が俺達に知られたからかあの日以降のこういう月のものの時は佐久間と翔太が薬を飲ませて寝かせるって事に必然的になっていて

宮「おはよ」

『！涼太くん！！！』

佐「あ！お前走んな！！体に障るだろ！」

宮「あーあー、どうした？(笑)」

渡「そいつ今生理。今朝薬飲んだっきり飲んでねぇんだってよ」

宮「飲まないとダメじゃん？ね、？」

そう来て早々腰に抱きついてるAの頭を撫でながら言う舘さんにAは舘さんの体に顔をうずめたまま首をフリフリと横に振る

佐「飲まないなら俺の口移しで飲ますよ」

『やーだ！朝飲んだもん！』

佐「もう切れてるから！撮影中痛い痛いなっても知んないよ！」

わざとらしく怒ってふん、とそっぽ向いた佐久間

そんな佐久間を見て嫌われたと勘違いしちゃったのか絶望した表情のA

そしてみるみる顔は

『ひっ、…っぐ、…だい、く、…』

「あーあ。」

岩「やったな」

佐「はいはい。おいで？」

『だいくん…！…ごめん、なさい…お薬飲むから…』

泣き出したAを優しく抱きしめてそのままソファに座り込む二人

渡「ほら、飲んで」

翔太に水と薬をもらって隣で佐久間がじっと見つめてる中Aはひっく、ひっく、と肩を揺らしながらも薬を飲み込む

ラ「お疲れ様です～…ってあれ？」

向「お疲れ様です～…ん？ラウ？」

目「お疲れ様です…。あ、」

「ん、お疲れ様～」

『だいくん…』

佐「あーごめんごめん」

『きらい』

佐「俺は好きなんだけどなぁ」

『だいきらい』

前の仕事が長引いて少し遅めに到着した3人は目の前のこの二人を見てぽかんとしていた

だってこの2人ね？