末っ子のもう一人ご存じですか？？ (ページ29)

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実兄と実弟ページ29

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ピンポーン、と何度目か分からないくらい鳴らされて目が覚める

のそのそとベッドから降りてインターホンの方に行ってモニターを覗けば

『……………ん？』

「起きてる～？」

『なんで来たの、、？仕事は？』

「…可愛い妹のためなら飛ばすよ」

『馬鹿か。仕事行けにぃちゃん』

「姉貴～俺もいるよ～～～」

と、ひょこっとにぃちゃんの後ろから顔を出したのは紛れもない弟

兄弟揃ってアポ無し突撃とは、

『…まぁいいや、入っていいよ、』

そう言って中に通して部屋に来るのを待ってる間に少しだけゴミを片付ける

と、言っても昨日までいた北斗が飲んでたお酒やらのゴミなんだけど

「おじゃましまーす」

『…早く帰ってよ』

鍵を開けてたせいかそのまま入ってきた兄と弟

相変わらず端正な顔立ちで妹の私でも兄の顔に見蕩れてしまう

「見すぎ」

『にぃちゃん顔綺麗だもん』

そう言ってれば我が物顔でソファに座った弟

「姉貴、…ジュースある？」

『ざけんな、』

「…兄貴～姉貴がいじめる」

「そっか～にぃちゃん仲良くしてほしいなぁ？」

『茶番やりにきたなら帰れ』

そう言ってわざとらしく頭を抱えると、にぃちゃんが私の目の前にしゃがんで両手を優しく包み込む

「無理しないで」

『っ、』

「メンバーさんに会うのも本当は無理してるんじゃないの？」

『…別に、、！』

「にぃちゃん嘘つく子に育てた覚えないよ？」

『…ごめ、……でも、！』

「姉貴。俺ら別に芸能人じゃないから姉貴の住んでる世界のことは知らない、でも悩みの種くらい家族だし話せよ……な？」

そう言って苦しそうに笑った遥

『…んとに、……バカ兄弟』

「「それは結構」」

『ハモンな』

少しだけ和んだこの空気にホッとして、飲み物持ってくるね、と席を立ちにぃちゃんには珈琲、遥には炭酸、私は水

三者三葉の飲み物をローテーブルに並べて座る

「…体調は？」

『…それなり、…悪夢も見る回数少し減ってるし』

「…そう、仕事は？どうする？」

『…んー、やりたい…けどまだ怖いかな……』

そう言うと、そっか、と返答があり少しだけ沈黙が流れる

家族だからか樹達とは違う安心感でポロポロと本音が零れた

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