記憶の嘘【サボ】 (ページ10)

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出発ページ10

Aside

昨日は驚いた。…昔、同じことを言われたことがあったから。

私が8才の頃。

「後ろのお嬢ちゃんを渡せよ！ガキ！！」

「「渡すもんか！」」

「こいつらー！！」

“バキッバコッドカッ”

「「ざまあみやがれ！！」」

『…サボ、エース…うぐっ』

「泣くなよ？ったく、お前は武器がないとダメなのか？」

「ま、それがAだからよ？…A、次は俺が必ず守ってやるからな！」

「サボ一人だけずるいぞ！俺だって守れるさ！」

「エース、言ったな！」

「「勝負だ！！」」

『…私のナイトは二人だよ。これからもずっと一緒に居ようね！』

…あんなことがあったな。

…楽しかったあの頃がまた出来るのかな？

“コンコン”

「A、用意でき…たか？」

そう、私はまだ着替え中だったのだ。

「あ、いや…わ、わりぃ！！」

サボは慌てて後ろを向いた。

――綺麗だな…Aの体。

昔はそんなこと言ってくれたのに…それでエースにぶっ飛ばされて！

クスクスしてるとサボは不思議そうに言った。

「な、何笑ってんだよ…？」

『別に？』

すると、横から蹴りが入った。

もちろんそれはコアラだ。
たまたま通りかかって見付けたのだと？

「A、ごめんね！こいつなんとかしてくるから！」

ズルズル引きずってコアラとサボは行ってしまった。

連れてかれる方向をドア越しに見つつ、心配しながら着替えて支度を始めた。