記憶の嘘【サボ】 (ページ8)

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消えた記憶パート2 ページ8

ドラゴンside

ふ、まだまだだな…。
素直になればいいものを…

『好きじゃないのか…』

「起きたか？…気分はどうだ？」

『…もう少し寝ててもいい？』

「あぁ、あの島からここまでは遠いからな…仕方あるまい。」

『…お父さん、サボね…きっと思い出さない方がいいんだよ…だって、お父さんに連れてかれるサボ…悲しそうだった。私達、兄弟の為に必死になってた…結局、助けることが出来なかったし！』

涙を流すAの背に手を置いた。

「そのくらいにしておけ…あれは私も助けに行った…だが、貴族は見てるだけ…唯一、サボだけが助けようと必死に門番に攻撃をしていたんだ。」

『…サボが、助けようとしていた？』

驚いた顔をしていた。
恐らく知らなかったのだろう。

「そうだ。それに、サボからお願いもされた…“中に兄弟がいる助けてくれ…俺は貴族に生まれて恥ずかしい”そうな。」

『…サボが…？』

「今となっては覚えてないが…お前達兄弟のことは忘れないだろう？」

『サボっ…！』

嬉しかったのだろうな。
泣きそうな顔で口を手で覆っていた。

「さ、もう寝なさい。明日、私が特訓をつけてやる。」

『サボは？』「任務だ。」

『なら仕方ないね…おやすみ。』

私は部屋から出た。
すると驚いたことにサボがいたのだ！

「サボ…なぜここに？」

「ドラゴンさんとAの話…途中からだけど聞いちまって…俺、記憶取り戻したい。…さっきドラゴンさん言いましたよね？“惚れてるのか？”って…もしかしたら、消えた記憶の中にあるかもしれません…」

サボの目は、覚悟した目だった。

「…サボ、お前の人生だ。だが、消えた記憶を取り戻すのは相当苦労するぞ？」

「…それでも取り戻したい…本能がそう言ってる気がするから！！」

「…なら、明日の作戦にAも連れていけ。命令だ。」

「…ドラゴンさんの命令とあれば…俺が必ず守ります！！」

いい目をしているな。
私は、笑みを少し浮かべながら自分の部屋へと戻っていった。