もう一度隣で笑って part2 (ページ5)

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No.53 向井side ページ5

向井side

だてが目覚めたから、ナースコールを押した。
それから先生に診てもらったけど、ボーッとしてて何も言わんかっただて。

目が覚める前めっちゃ魘されてて、先生は悪い夢を見ているのかもって。

1人でずっと苦しんでたもんね…
ごめんな…。
俺はこれから何をしてあげれるんやろう？
そんなことを考えてた。

渡辺「りょうたっ！」

翔太君がちょっと焦った声でだての名前を呼ぶから、俺たちも焦る。

どうやらまた目を閉じてしまったみたいで。

出て行こうとしていた先生も様子見てくれたけど、

先生「ちょっと診ますね…。
眠っただけだと思いますよ。健康状態としてはかなり悪いので眠れるうちに眠らせてあげてください。それでは…」

深澤「ありがとうございました」

阿部「翔太…ちょっとだけ手緩めてあげよ？」

阿部ちゃんの声をきっかけに翔太君の手を見ると、絶対離さへん！って感じでギューって手握ってて。たしかにちょっとそんなにぎゅっとするのは痛いかも。
翔太君は不安なんよね。きっと。

渡辺「っえ？っああ…ごめん…涼太」

阿部「…きっと嬉しいと思うよ。」

阿部ちゃんは優しい声でそういいながら、翔太君の肩をポンとした。

(ピコン

「めめからLINEや。」

深澤「なんて？」

「『ラウール送り終わった』って。あ、『だてさんの家の鍵俺が持ってるから、ついでにちょっと片付けてくる。入院なら色々持っていくほうがいいよね？適当に持っていくね。』ってさ。」

深澤「ああ、そっか…洗面所…あのままだ。」

家の話が出た瞬間、翔太君とふっかさんの顔は曇った。
俺たちは見てないけど、吐血してたって言ってたしきっと辛い光景やったんやと思う。

阿部「目黒、1人で平気かな…。」

阿部ちゃんもふっかさんたちの様子を見てこう思ったんやと思う。
めめも現場をみた1人や…。
多分強がると思うけど…。

「あのさ、俺もだての家行ってきていい？シンプルに1人やと大変やろうし。」

深澤「…頼んでいい？」

「うんっ。任せて！だて、ちょっとだけ行ってくるな！」

寝ているだてに声をかけて病室を出た。