【あんスタ】すいません、メイト行くので休みます。【悪女】

「十二日」　おかえりなさい。 ページ13

そしてその日の夜。

部室に大切な忘れ物をしたことに気が付いた。

…大切な手紙。

それは私が初めてプロデュースしたKnightsのリーダー月永先輩からもらったお礼の手紙。

くしゃくしゃになっても持っている。

警備員さんに話を通して学校内に入った。

二階手芸部部室、私専用のロッカーの中に落ちていた。

安心して拾い上げて一息ついた。

ふとしていない課題を思いついて少し急いだら九時前。

靴を履いて外に出る…はずだった。

私はとある違和感に気が付いた。

玄関が゛開いていた゛ことに。

息をのんだ時に微かに歌声が聞こえた。

この声……！

靴を履く手を止めた。

上履きなんて履くことなく傷が許すスピードで階段を駆け上がった。

一回ごとに上がればその声はより明確になる。

屋上へと続く扉。

切れる息。

そこに手をかけるころにははっきりと聞こえていた。

…ああ、戻ってきたのですね！

体重をかけてドアノブを捻った。

月の光に照らされたあなたは一切変わっていなかった。

小「…戻ってきたのですね、月永先輩…！」

月「……にゃーちゃん、、、ああ、また傷だらけになって！」

駆け寄った先輩は私の頬を優しく撫でて跪いた。

そして手の甲にキスを落とした。

先輩は私しか知らない瞳で見つめた。

小「先輩、私、先輩がいない間寂しかったです。寂しいです。それにメイトに行く回数が増えました。」

月「…おれ、またにゃーちゃんをつらい思いをさせてるのかな…」

小「いいえ、先輩。それより先輩がつらくなったら来てください。いつでも連絡してください。先輩がたとえKnightsをつぶそうなんて言っても私は先輩についていきます。…私は先輩に救われたのですから。」

優しく先輩に伝えると先輩は立ち上がって私を抱きしめた。

そして泣きだした。

月「…今度も守って見せる…！」

小「その前にちゃんと学校に行かなくてはいけませんよ」

なんて冗談を言えばぎゅっと強く抱きしめられた。

小「私はまだちゃんと学校にいってるんだよ…レオ。」

月「ごめんねぇ…！にゃーちゃん！おれが…逃げたばかりに…」

小「いいの、レオ。そうそう、今度のフェス衣装、私が担当なんだ。また石井さんが何かいうかもしれないけどあの人はレオのこと忘れてるからね…ちゃんと用意してるからおいでよ。」

夜空の下で二人未来について少しばかり語った。

「十三日」　メイトに行ってきます。→←「十一日」　メイトに行ってきます。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す