7.mg ページ7
姉ちゃんの楽しそうな笑顔に腹が立った。
嬉しそうな語り口にも。
いつもは落ち着いた性格なのに、なんだかはしゃいでいるように見えることにも。
全部にムカついて、だけど画面の中でキラキラ輝くアイドル達はみんな超絶どイケメンで。
勝てるわけねぇって察して、なんとなく切ない。
姉ちゃん意外と面食いなんだな、とか思ったりして。
だけどたぶん、姉ちゃん的には『内面も好きだよ〜』って感じなんだろうな。
アイドルヲタクなんて、きっとそんなもんだ。
零時を五分ほど超えて、慌ててDVDを取り出して自分の部屋に戻った姉ちゃんの後ろ姿が普通に女の人のそれに見えた。
自分の姉に対して家族以上の感情を抱いていることには気付いていたけれど、こんなに夢中になっていたなんて知らなかった。
知りたくなかった。
まだ右手に残る姉ちゃんの手の感触が、熱となって全身に巡る。
ゾクッと身震いがして、自分も早急に部屋に戻るべきだと判断した。
俺がここに居ることがバレると、姉ちゃんの時間が減らされてしまうかもしれない....なんていうのは綺麗事だ。
中二の男子なんだ、俺も。
好きな子の手を、思い返せば物心ついてからは初めて握ったんだ。
ほとんど初めてみたいなものだ。
....許して、姉ちゃん。
俺はできるだけ音を立てないように自分の部屋へと戻り、ベッドに入って姉ちゃんの姿を脳内に描いた。
完全に反応してしまっていることに罪悪感を覚えるが、これも人間が地球上で生き残る上で必要な現象なんだと自分に言い聞かせた。
まぁ俺の場合何の生産性もないんだけどね、と自嘲してまた切なくなった。
俺の中の姉ちゃんがこちらに微笑みかけてきて、あざとく小首を傾げる。
あぁ....可愛い....
姉ちゃんが動く度、高く結われた二つ結びがぴょこぴょこと揺れる。
小さい頃から変わらない、姉ちゃんのトレードマーク。
そういえば俺が物心ついた時にはもうこの髪型だった気がする。
そろそろ年齢的にキツい気もするけれど、自分が良いと思ったことを頑なに貫き通す姉ちゃんのその真っ直ぐな精神も好きなんだなこれが。
『ねぇ、蓮....』
何、亮子。
『私、蓮のこと....好き....かもしれない....』
あー....
亮子、それはヤバい。
可愛すぎる。
『蓮....蓮は私のこと、どう思ってる....？』
そりゃあ勿論....
『ねぇ、壊してよ....亮子のぜーんぶ、蓮にあげたいの....』
....ごめん、こんな弟でごめんなさい。
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まなお(プロフ) - れいんさん» ありがとうございます！私も読ませて頂こうと思います。素能家、いいですよね！教えていただきありがとうございました！ (2020年6月4日 13時) (
レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - 作品名は「家族ですの。」、作者様は「ミントアップルティー」さんです。 (2020年6月4日 11時) (レス) id: ae247e4732 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - れいんさん» 私も読んでみたいので、よろしければ作品タイトルや作者様のお名前を教えて頂けませんか？ (2020年6月3日 22時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - れいんさん» そうなんですね、ご報告ありがとうございます！私と同じような趣味の方がいらっしゃるということですね、仲間が増えたみたいで嬉しいです！！仮に真似だとしても、こんな駄作を参考にしていただけたということで、認められたみたいで幸せです！ (2020年6月3日 22時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - 私はmmabの小説を読み漁っているのですが、このお話によく似た作品を見つけました。類似している作品の方が後に作成されていたので、真似ていたとしたらもう一つの方かなと思います。作者様があまり気にしていないなら大丈夫なのですが…一応報告させていただきました。 (2020年6月3日 20時) (レス) id: ae247e4732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まなお
| 作成日時：2020年1月18日 1時
