30.ab ページ30
「なんで無理だって決め付けるの？やってみなきゃわかんないじゃん！！」
「....もう今日は疲れた。服を貸してくれたことには感謝してるけど、用が無いなら一人にしてくれないかな。」
「用があるから来たんじゃん。いいからリベンジしてよ。」
「応援してくれるのは嬉しいんだけどさ。私、もう諦めるって決めたから。」
「なんでそんな簡単に諦めるの？本当に好きだったの、その人のこと。」
「好きだったよ。なんなら初恋だよ。でも無理なものは無理。」
「だめ....だめだよ、お姉ちゃんはその人と恋人同士にならなきゃだめ。」
「....私、そろそろ怒るよ。」
「怒ればいいじゃん。でも絶対に諦めないで。お願いだから....」
「なんでラウ子にそこまで言われなきゃいけないの？諦めるも諦めないも私の勝手じゃん。ラウ子に迷惑かけてないじゃん。」
「大迷惑なんだよ....っ！！」
ラウ子がついに手を出してきた。
肩を思い切り押されて、私も我慢の限界に達した。
立ち上がって、自分がされたのと同じことをし返した。
勿論、全力ではないけれど。
『妹を泣かせたら怒られるのは自分』という過去の呪縛が、本気の力を出すことを許してくれない。
「何が迷惑なんだよ、私の失恋がお前にとって不利になる理由がわかんねぇんだけど。」
「アンタの想いが成就すれば私にとって有益な状況になってたのよっ！！」
また肩を押されて、思わずよろめく。
私もやり返すけれど、やっぱり本気は出せない。
「お前ら何やってんの、下まで聞こえてんぞ。」
やられてはやり返しての攻防と暴言がどんどんエスカレートしていった私達を止めたのは、いつの間にか部屋の前に来ていた蓮の一言だった。
蓮の後ろにはお父さん、更にその後ろにお母さんと翔太。
翔太の足元ではサクマまで心配そうにこちらを見ている。
「あ....うるさかったよね、ごめんなさい。」
とりあえず、謝ってみる。
これ以上心配させないように、下手は承知で笑顔を作った。
「喧嘩してたのか。」
また蓮が私達に問う。
すると、今まで謎に鬼の形相でキレていたはずのラウ子が急に顔を顰めた。
みるみるうちに目に涙が溜まっていき、こぼれ落ちるとともに家族の方を振り返った。
....しまった、この手には何度も乗せられてきたのに。
「ラウ子はただ、お姉ちゃんの恋を応援してあげただけなの....なのにお姉ちゃん、諦めるとか言うから....っ」
....負けた。
私はまた悪者だ。
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まなお(プロフ) - れいんさん» ありがとうございます！私も読ませて頂こうと思います。素能家、いいですよね！教えていただきありがとうございました！ (2020年6月4日 13時) (
レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - 作品名は「家族ですの。」、作者様は「ミントアップルティー」さんです。 (2020年6月4日 11時) (レス) id: ae247e4732 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - れいんさん» 私も読んでみたいので、よろしければ作品タイトルや作者様のお名前を教えて頂けませんか？ (2020年6月3日 22時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - れいんさん» そうなんですね、ご報告ありがとうございます！私と同じような趣味の方がいらっしゃるということですね、仲間が増えたみたいで嬉しいです！！仮に真似だとしても、こんな駄作を参考にしていただけたということで、認められたみたいで幸せです！ (2020年6月3日 22時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - 私はmmabの小説を読み漁っているのですが、このお話によく似た作品を見つけました。類似している作品の方が後に作成されていたので、真似ていたとしたらもう一つの方かなと思います。作者様があまり気にしていないなら大丈夫なのですが…一応報告させていただきました。 (2020年6月3日 20時) (レス) id: ae247e4732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まなお
| 作成日時：2020年1月18日 1時
