文豪DA【 デッドアップル】語られなかった文豪達

D・A 梶井基次郎の場合 其ノ二 ページ2

｢広津さんの異能力は斥力でしたよね？｣


広津｢嗚呼。君なら解ってるだろうが、物を飛ばす力だ｣


｢なら如何するか悩むな……目視でバレなければ……｣


瓦礫の後ろで隠れながら確認していると、また違う音がした。





ドォオオオオオンッ！！




｢近い……！！あれ、でもこの音聞き覚えが…………爆発音？｣




カラン……コロン……


焼け跡から更に乾いた下駄の音が近付く。





｢ひ、広津さん……真逆と思いますけど彼奴は｣


広津｢早々に片付けて貰いたかったが、矢張り……分離してしまったか｣




ブスブスと黒煙が上がるさ中、


五十メートル先に見えた其奴は檸檬爆弾を持ち、まるで距離を計る様に僕に向かってかざしていた……


不敵に笑う『異能力』は早速檸檬爆弾を取り出して、


振りかぶった。





｢広津さん！ああぁ危ないッ！！｣



ドカアァンッ！！


広津さんの背中を押しながらギリギリの所で避けられた。


｢範囲は小さく威力はでかく……多分今僕が持っている爆弾だ！！｣


広津｢与謝野晶子と戦った時の爆弾とは違うのかい？｣


｢アレは爆発する範囲を重視した造りなんですよ！！今回のは当たったら一発で死にますから！！｣



ヤバいぞ……このままじゃ挟み撃ちだ！！






否、あれを逆に利用出来たとしたら……！！






｢広津さん、此処から一番近い地下道は？！｣


広津｢五百一番だ。まぁそう焦るな……真逆広場に移動する気か？｣







恐らく、打開策はあれしかない！！

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