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・・・が、この前の夜の話で。
作「Aちゃん」
真っ直ぐそう呼ばれて「あ、はい」って返事をする。
作「やくそく、」
「ん?」
作「クレープはんぶんこする、約束」
「あ、そうだったね」
作「忘れてたの?」
「忘れてはないよ」
作ちゃんは私を見下ろして寂しそうに視線を揺らすからものすごい悪いことをしてる気になって咄嗟に「約束だし、食べる?」ってクレープ屋さんを指差す。そうすると彼はパーッと笑顔になって「うん!」って嬉しそうに頷いた。
「・・・、」
ダメでしょ、そんな顔したら。
また胸がざわざわするのに気づかぬ振りをして楽しそうにそこに向かう彼の背中を追いかけた。
看板のメニューの前で二人並んで「どれがいい?」って問いかけられる。
「作ちゃんの好きなやつでいいよ」って答えると、彼はむすっとして「Aちゃんの好きなやつ!」って口を尖らせた。
「え〜・・・」
作「・・・」
「私なんでもいい」
作「だめ」
「・・・ん〜」
作「イチゴは好き?」
「うん」
作「バナナは?」
「好きだよ」
作「チョコは?」
「大丈夫」
作「・・・」
そう問いかけてきたということは、彼はそのどっちかを食べたいということなのか・・・?
「ふふ、作ちゃんが食べたいのがいいです」
作「・・・、」
「それがいいです」
作「・・・」
作ちゃんはそういう私を見下ろし、少し考えてから「チョコバナナひとつ」と店員のお姉さんに言うと私を見て「美味しくなくても知らないからね」って顔を向けた。
「大丈夫だよ」
作「・・・美味しいと思うけど」
「はいはい(笑)」
困ったように笑う私を見て彼は同じように眉毛を下げて微笑む。
メガネのレンズ越しに見える作ちゃんの瞳が、なんだか優しかった。
自然と年齢を想定できてしまう制服姿なしで見るとメガネをかけてる作ちゃんは15歳には見えなくて、顔だけ見たら年上みたいだ。
雰囲気も落ち着いてるし、この子本当はいくつなの?と思うけど、中身は年齢相応で可愛い。
作「はい」
嬉しそうにクレープを手にする作ちゃん。
「うん」
作「はんぶんこ」
「・・・?うん、」
どうやってはんぶんこするんだろう、と思ったら作ちゃんが「Aちゃん先に食べて」っていうから「え?」と聞き返してしまった。
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ゆっきん☆(プロフ) - お話、ワクワク、ドキドキしながら、読ませてもらっています。続きが気になって途中で中断しなくちゃいけないときは早く続きが読みたくてソワソワしちゃいます。めちゃんこ、面白いです!! (2021年10月10日 20時) (レス) @page49 id: 6a5a4dc15b (このIDを非表示/違反報告)
しず(プロフ) - あらんですよね、?笑 (2019年5月24日 17時) (レス) id: 56d3701af2 (このIDを非表示/違反報告)
ポップコーン(プロフ) - 大好きすぎます!らぶはうすからずっと愛美さんの物語を読ませて頂いていますが、カラクリが見えていく感じも、心情が繊細に描かれている感じもすんごく好きです!楽しみにしています!! (2018年11月18日 0時) (レス) id: af868719a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき音 - 面白くて一気読みしてしまいました〜!作ちゃん沼に落ちてしまったお姉さん(笑)なので自分と重ねて見てしまいます…更新楽しみにしています!頑張ってください! (2018年11月16日 18時) (レス) id: 2587946e14 (このIDを非表示/違反報告)
chii(プロフ) - 更新停止されちゃったのかと思って、1ヶ月前から毎日チェックしてました!!おひさしぶりです、!はやく続きよみたくてうずうずしてます〜 (2018年10月30日 20時) (レス) id: 130f1a370d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛美 | 作成日時:2018年8月17日 0時