■ ページ27
最寄りの駅について、いつものように家路に着こうとすると向こうから作ちゃんの姿を捉えた。
作ちゃんも私に気づいたようで、黒縁メガネを軽くくいってやりながら頬を緩ませて私の方に向かってくる。
・・・顔が熱くなってくるのがわかった。
作「Aちゃん」
「・・・作ちゃん」
たくさんの人が行き交う駅前の真ん中で、その姿をすぐ見つけてしまった自分に恥ずかしくなる。
「・・・あ、えっと、」
作「・・・」
バイト終わりかなあ？って問いかけようとしたら、彼の口が「Aちゃん」って動く。
真っ直ぐと私を射抜くその瞳にこの前の夜のことを、思い出した。
ーー「・・・一緒に、食べてください」
承諾したものの、私は「弟の友達」とご飯を食べてるシチュエーションに頭を抱えていた。
だって、普通にない。
どうしたら「弟の友達」と並んで座って牛丼を食べてるかわかんない。
大盛りを頼んだ彼は相当お腹が空いてたのがそれをぺろっと平らげていて、また見た目とのギャップを見つけてしまって私は戸惑った。作ちゃんは、いっぱい食べる子らしい。だから大きいのか。
自分の隣で、美味しそうに咀嚼する姿を見せられたら・・・そりゃあ、「かわいいなぁ、男の子だな」となるわけで。
ただ、なんで私と食べたかったのかなとか。
一人で食べるの嫌だったのかな？とか。
そんなのを考えていたら、私の箸が進まなかったわけで。
ハムスターみたいに膨らむほっぺを見つめて思わず「あ、おもちたんだ・・・」と心の中で呼んでしまって。
でも食べ方はとても綺麗で。
佇まいから感じ取っていはいたが、彼は育ちがいいんだなと思うくらいちゃんとした子で、いやもう本当に15歳なの？というぐらい落ち着いている。
いろんなことに気づいてたら、彼は私を見つめて「食べないの？」と首を傾げた。
「あ、あ・・・そうだね」
作「うん」
そんなじーっと見られたら食べれるわけなくて、目を逸らして牛丼に視線を置いたまま箸を手にして食べると作ちゃんが「美味しい？」って聞いてきた。
「・・・う、うん」
いや、待って。
「美味しい？」って首を傾げた作ちゃん、めちゃめちゃ可愛い。
いや、待って。
もしかして私、作ちゃんに対する感情「可愛い」しか持ってないの？
とんでもない子だな、と咀嚼を繰り返し水を飲み込んだら作ちゃんはさらに爆弾を落としてきた。
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ゆっきん☆(プロフ) - お話、ワクワク、ドキドキしながら、読ませてもらっています。続きが気になって途中で中断しなくちゃいけないときは早く続きが読みたくてソワソワしちゃいます。めちゃんこ、面白いです！！ (2021年10月10日 20時) (
レス) @page49 id: 6a5a4dc15b (このIDを非表示/違反報告)
しず(プロフ) - あらんですよね、？笑 (2019年5月24日 17時) (レス) id: 56d3701af2 (このIDを非表示/違反報告)
ポップコーン(プロフ) - 大好きすぎます！らぶはうすからずっと愛美さんの物語を読ませて頂いていますが、カラクリが見えていく感じも、心情が繊細に描かれている感じもすんごく好きです！楽しみにしています！！ (2018年11月18日 0時) (レス) id: af868719a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき音 - 面白くて一気読みしてしまいました〜！作ちゃん沼に落ちてしまったお姉さん（笑）なので自分と重ねて見てしまいます…更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2018年11月16日 18時) (レス) id: 2587946e14 (このIDを非表示/違反報告)
chii(プロフ) - 更新停止されちゃったのかと思って、1ヶ月前から毎日チェックしてました！！おひさしぶりです、！はやく続きよみたくてうずうずしてます〜 (2018年10月30日 20時) (レス) id: 130f1a370d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛美
| 作成日時：2018年8月17日 0時
