・オトウト以上、コイビト未満。【Ryuto.S】

■ ページ26

「え・・・？」

廉「お前、もうすぐ誕生日やろ？」

「そう、だけど」



「なに？お祝いしてくれるの？」って期待の目を向けたら「いや、3人のお祝い！」ってながつが声をあげた。




怜「俺らって誕生日俺が一番早くてその次にAで最後廉じゃん？だから、真ん中にあるお前の誕生日にお祝いするの！」

廉「ちょっと早いけど俺ら3人のハタチ祝い！」

「え〜嘘！え。嬉しい！やった〜！」



去年は知り合ってばっかだったし、スタバおごってもらっただけなのに今年はこんな豪華なお祝いして貰えるなんて嬉しすぎて「本当に私の誕生日でいいの！？」って興奮気味に詰め寄ったら、「条件あるけどな？」って廉の眉毛がピキッと動いた。



「え、なに、怖い」

怜「制服ディズニー！」

「せ、、・・・はあ！？」

廉「おん」

「ちょっと待って、廉。本気で？」



卒業して結構経ったよ！？恥ずかしくない！？絶対嫌なんだけど！ってテーブルを叩いたら、「まあ、ギリギリ10代のうちならいいかな〜って(笑)」と彼が笑うから「それ廉だけじゃん！」って声をあげたら、ながつが「まあまあ、最後だと思ってさ♡」ってお茶目に笑った。



「いや、嘘でしょ・・・」

廉「思い出作りやで！制服で行ったことある？」

「ない」

怜「ほら〜出来なくなる前にしようよ！」

「いやいや、恥ずかしくないの！？」




そう問いかけると二人とも、「ん？いや〜そんな」みたいな反応をして、私は「嘘でしょ？」ってテーブルに項垂れた。





怜「ね！A！」

廉「楽しい思い出作ろうや！」

「・・・、」




二人ともすごい目で見てくるし、夢の国には行きたいし、私だって楽しい思い出作りたいし、ましてや自分の誕生日にだし・・・。



「制服は、やめよう？」

怜「え〜〜！」

廉「ノリ悪りぃ〜な！」

「・・・メリット0じゃん、制服なんて」


そういうと「ゼロじゃねーから！」って廉が声をあげて、続くように「絶対ゼロじゃないから！」とながつが身を乗り出してくる。


「・・・、」

怜「・・・」

廉「・・・」

「・・・、」

廉「制服で来なかったら絶交だかんな」

「・・・これがトラップだったら君らのチケット破るから」

怜「おうよ！」

「よし、今日は解散」

廉「おん、じゃーな！」


私は二人を睨みながら3人分のチケットを回収して、その場から離れた。

って・・・私はこんな感じで条件を飲んだけど。

これを死ぬほど後悔することになるのは、もう少し後のことだった。

■→←■ (2018/8/29)

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