剣持さんと中間試験前 ページ7
梅雨入りして雨の日が増えてきた頃。私たち学生には一大イベントが待ち受けていた。
「「はぁ……」」
中間試験である。
うちの学校は試験の教科数が多いため、一週間まるまる使い切って試験をする。よってテストのために気を張らなければいけない時間も増えるわけで、私たち生徒は皆一様にため息をつくのだった。今だって、ほら。
「は〜〜〜もうやだ。どうする友よ」
「……テストの点数低い方がダッツ奢りでいいんじゃない……？」
私たちの課題はどれだけ良い点数を取るかではなく、如何にしてこの試験を乗り切るかだった。点数なんて期待のきの字もない。
はっきり言おう、私も友人も馬鹿だ。馬鹿だから勉強ができない。したがって、毎回行われるテストも点数があまり良いとは言えないし勉強しても伸びないのだ。
私の悩みはそれだけではなかった。
「それに剣持さんもなかなか振り向いてくれないし……」
話こそ聞いてくれるし返事もしてくれる、ただいっこうにデレというかなんというか、振り向いてくれる気配がないのだ。
まあ無視されないだけマシだとは思うが、それでも悲しいものはやっぱり悲しい。
「もー、剣持さんのハゲタコナス……。言い過ぎかな」
「誰がハゲタコナスだって？」
聞き慣れた声、バッと反射的に振り返る。「剣持先輩に対する反射速度だけ異常だな」と友人の声。うるさいな。
「で、ハゲタコナスとか言う口はこの口ですか」
「け、けんもちさ、いだだだだ、痛い！痛い！！」
むに、頬を摘まれてときめいたのもつかの間、ギュウウウウという効果音がつきそうなほどつねられた。痛い。つねりのプロフェッショナルか？ってくらいには痛かった。と考えていたらようやく離して貰えた。はあ痛かった。
「でも剣持さん、どうして一年の教室に？」
つねられた頬をさすりながら聞けば、このクラスの剣道部部員に話があったらしい。たまたま私の姿を見つけたから来てみればハゲタコナス、とのこと。やだ、私を見つけて来てくれただなんて、これはもう結婚するしかない。
「私剣持さんと結婚する……」
「決定事項で草」
「そこで結婚しようって言わないあたり貴女らしいですね……」
剣持さんは軽く引いたように、友人は真顔でそれぞれ言葉を吐いた。友人、真顔で草を生やすな。
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あるる(プロフ) - 更新まってます。 (4月12日 20時) (
レス) @page18 id: b279daaf7c (このIDを非表示/違反報告)
さくちゃ - 更新待ってます！！ (2022年9月4日 16時) (レス) @page18 id: 0eb8ab871d (このIDを非表示/違反報告)
ちゃー！ - 最高です (2022年4月4日 23時) (レス) @page18 id: d656d21813 (このIDを非表示/違反報告)
消炭(プロフ) - 燐さん» ありがとうございます〜〜！！更新頑張ります！！！ (2022年3月24日 11時) (レス) id: 3142803129 (このIDを非表示/違反報告)
燐 - ワーーーーーーーーッッッッッッッめっちゃ好きですありがとうございます！！！！！！！！！！ 更新頑張ってください！！！！ (2022年3月23日 16時) (レス) @page18 id: d09a152a0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：消炭 | 作成日時：2021年11月25日 12時
