【2j3j】knmcさん、大好きです！

剣持さんとライブ ページ12

現在時刻午後16時半。
ライブ会場までは一緒に行こうということで話はまとまり、とりあえずその場でお開きになった。
その数日後、それが今日である。待ち合わせ場所、学校近くの公園の木の下でぼんやりと私は立っていた。
学校ではない場所で剣持さんと会う、それはつまり剣持さんの私服が見られる、ということである。
そんなの、そんなの。


「き、緊張、する」


緊張しないはずがなかった。
勿論どんな私服を着てくるのか、楽しみやワクワクは十分にある。しかしそれを上回る緊張。いつも通りに話せるだろうかとか、剣持さんのあまりのかっこよさに卒倒しないだろうか、とか。それを友人に話したら何故か笑われた。失礼な。


「……すみません、待たせました！」

「……！」


なんやかんやと考えていると、小走りで近づいてくる足音。ゆっくりと振り返って──。


「ヴッ……」

思わず胸を押さえた。
青のTシャツに半袖シャツというラフな出で立ちながらも、ネックレスやブレスレットでこなれた感じも見せている。
こんなのかっこいいと思わないはずがない。尊い。好き。惚れ直した。


「す、好き……」

「声に出てますよ……。ほら」


あまりのかっこよさに思わず頽れる。胸を押さえたまま動かない私に、剣持さんがそっと手を差し伸べる。優しい。好き。


「ほら、早くしないとライブ間に合わなくなりますから。行きますよ」

「ひゃい……」

情けない声を上げながら、恐れ多くも剣持さんの手を借りて立ち上がる。そうだ、今ここで倒れてなんかいたらこの先持たない。なんてたって、ChroNoiRのライブが待ち構えているのだから。

期待に胸を膨らませながら、剣持さんと駅まで向かったのだった。

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