お仕事始まりますねぇ! ページ15
1月某日。
この家にも慣れてきた頃。
私は、なーくんとジェルくんと莉犬くんと4人でコタツでぬくぬくしていた。
みかんの白いスジを丁寧に取りながら
綺麗になったみかんを机に並べる。この後一気に食べるのが美味しいのだ。
今日はこの3人とも元気がない。
「みんな今日はなんでそんなに元気がないんですかぁ〜〜?」
「「「明日から仕事だからでぇーす」」」
聞くところによると、莉犬くんは明日からスタジオでの録音が始まり、ジェルくんとなーくんは務めている会社がもう正月休みを終えるんだとか。
ジェルくんのところは比較的休みが多いけど、なーくんのところはあんまりなくて、定時帰りも厳しいらしい。
なーくんがダントツで元気ない。
「なーくんほらぁみかんあげるから元気だして!」
「そんなこたつの熱でぬるくなったみかんなんていらない……」
むぅ、と3人を元気づける方法はないかと考える。
「Aちゃん、俺Aちゃんのテンション下げる魔法の話知ってるよ…」
「え、なになにー?」
「莉犬くん。それはあかん…!」
横から口を挟むなーくん。
ここまで来たら聞いたいじゃないか。
まだ仕事が始まってないのに既にげそっとした莉犬くんが息をゆっくり吸って告げる。
「借金の額。」
「「「……………」」」
思った以上に重たい話で消えてしまいたくなった。
今まで、なーくんに借金のことについて聞いたことはあるけど全部はぐらかされていた。
「ひゃ、100より上ですか…?」
3人が、こくりと頷く。
「具体的な数字は言えんけど………家と車買えるくらいかな。」
ジェルくん、はにかんで言うけどそれって多額ですよね!!!!?
「あ、私明後日からバイト再開するので、できるだけ返すから!」
「いや、学生には厳しい額だよ?」
「せめて、今まで払ってなかった生活費だけでも入れる!」
「いや、高校生からお金取るなんて出来んよ。」
ぐっ、と詰まってしまう。
すごく申し訳ない。空気になって消えてしまいたい…。
「じゃあハグは!?」
莉犬さんの急な発言に驚く。
いつものおふざけか、と思っていたのに。
「莉犬くん、詳しく。」
「Aちゃんからハグしてもらえるん!?」
私を差し置いて、3人はノリノリだった。
「俺らが仕事行く前にはAちゃんにハグしてもらうの!」
Aちゃんのためって思ったら仕事頑張れそう!
本人達の目は輝いている。
お金を出していない私は当然拒否なんてできず、渋々OKした。
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(・ω・三・ω・)フンフン(プロフ) - あれ?終わっちゃった? (2020年2月29日 19時) (レス) id: 1eed865d70 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - これって完結しちゃったんですか? (2019年4月17日 18時) (レス) id: 68d4b88e6d (このIDを非表示/違反報告)
ちゃにぽん(プロフ) - あろんさん» 了解です!リクエストありがとうございます! (2019年3月12日 20時) (レス) id: ea06f6d734 (このIDを非表示/違反報告)
あろん - 面白いです!リク良いですか?ころんくんが、主にお酒飲ませて、2人でイチャイチャしてほしいです!! (2019年2月25日 11時) (レス) id: a27ddc237a (このIDを非表示/違反報告)
ちゃにぽん(プロフ) - いちさん» リクエストありがとうございます!書かせていただきます! (2019年1月29日 20時) (レス) id: ea06f6d734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃにぽん | 作成日時:2018年10月30日 16時