受付嬢の私とエリートの彼 (ページ42)

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佐久間「あのさ、阿部ちゃんと2人の予定だったから、実は部屋1つしかとってないんだよね....」

ホテルのチェックインを済ませようと並んでいるときに佐久間さんに衝撃の一言を言われた

仲のいい男二人だったら部屋が一緒なのは理解できるけど、

いい歳した男女が2人で同じ部屋はさすがに....

佐久間「だから、もう一部屋予約できるか聞いてみるね」

佐久間さんはそう言ってたんだけど...

『えっ！どこも空いてないんですか？』

「本日は満室をいただいておりまして...大変申し訳ございません」

コンシェルジュさんが頭を深々と下げた

『どうしましょうか...』

まだ後ろに列ができていたため、チェックインは一旦中断して列から抜けた

佐久間「俺、近くのホテルに空きがあるか電話してみる。Aはここに泊まりな」

佐久間さんはスマホを取り出して、近くのホテルを検索する

私も一緒になって探して電話をかけてみるが、

『スイートしか...かしこまりました。』

空き部屋があっても高級な部屋だけが空いていたりして、流石にそれは値が張ってしまう。

佐久間「あーここもだめだった。」

佐久間さんは頭をかいてうなだれている

『あ、あの。佐久間さんさえよければですけど....』

こんなことで佐久間さんを悩ませたくないと考えた結果

『私は一緒の部屋でも大丈夫です...。ベッドも2つありますし..』

仕事仲間だと割り切ればいい話なんだ。

佐久間「えっ」

スマホを片手に持った佐久間さんは固まった

『.....あっでも、佐久間さんは嫌ですよね！ごめんなさい。私、隣の市で空いてるホテル探してくるので、佐久間さんはここで..「嫌じゃないよ」』

恥ずかしさで必死になって言葉を並べている私に佐久間さんが被せてきた

佐久間「嫌とかじゃないから...。じゃあ、俺チェックインしてくるからAはここで待ってて」

”荷物見といて”って佐久間さんはキャリケースを残して、カウンターへと去って行った

程なくしてカードキーを手に持った佐久間さんが戻ってきて一緒にエレベーターへと乗り込むと

佐久間「別にとって食ったりしないから」

って口角を上げながら言った。

久々にこの顔を見た気がして、少し懐かしい気持ちになった

『それ、信じちゃいけない言葉だって教わったことがあるので』

って返したら彼は、

佐久間「...正解」

って言った