あなたに興味なんて…ない、 (ページ6)

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『失礼します。』

医局を出て、そのままジミンさんのいる病室に戻った。

「……。」

病室に入ると、ジミンさんは、ただ静かに外を眺めていた。

その表情が、なんだか切なくて、何か声をかけたくなったけど、どれも逆効果になるようにしか思えなくて、何も言えなかった。

その代わりに、さっき、ホン先生と決めた予定を伝える事にした。

『ジミンさん。今後の予定が決まったので、お伝えしますね。』

私は、病室にかかっているカレンダーを取って、ジミンさんのベッドテーブルに置いた。

ジミンさんは、何も答えてくれはしなかったけれど、こっちを見てくれたので、話を進めることにした。

『まず、1週間はベッドで絶対安静です。ツライと思いますけど、そうしないと、完治が更に遅くなってしまうので、少しでも早く復帰するために頑張りましょう。』

ペンで、カレンダーに今後の予定を記入しながら、さっき決まった話をすべて伝える。

「退院はできても、ダンスが出来るようになるのは、3ヵ月後なんですか？」

すべてを話し終えると、気力の感じられない声で、ジミンさんは静かに、そう尋ねてきた。

『はい。完治までしっかり我慢しないと、何かの衝撃でまた折れたりしてしまいかねないですから。』

そう伝えると、ジミンさんははっきりと、肩を落としてしまった。

ちょっとネットで調べただけで、大した知識はまだ得ていないけど、ジミンさんは防弾少年団の中でも、ダンスの上手いメンバーのようだった。

それなのに、3ヵ月もダンスができないと言われて、気落ちするなと言う方が無理な話だ。

本当に、アイドルには興味がない私には、アイドルのジミンさんに正しい言葉をかけられる気がしなかった。

だから、1人の看護師として患者のジミンさんにできる事を考える事しかできなかった。