17 ページ17
予定より早い呼び出しに11階に戻ると、部屋の中はなんとも言えない空気に包まれていた。
最初のジミンさんのなんとも言えない笑顔から、この結果は予想できなくはなかったけれど、まさかホントにそうなるとは思っていなかった。
『では、お送りしますね。』
また、エレベーターに乗り、メンバーの皆さんを連れて地下に向かう。
『来週になれば、ベッド安静は終わりますし、少しずつリハビリも始まりますので、少しは元気になってくれると思いますよ。』
さっきは平気だった沈黙の空間も、いくら何でも、どんよりムードになってしまうと我慢できなくて、そう言ってみた。
すると、全員揃って、今にも目が飛び出そうなぐらいに目を見開いて私を見つめた。
『あの……、そんなに見つめられると……、いくら何でもツライのですが……。』
どんな表情をしていても、眩しすぎるオーラがあって、そんな人たちに一斉に見つめられると、さすがに怖い。
ペンの人だったら、ひとたまりもないんだろうな〜。
「「あっ、すみません。」」
私の言葉に全員がそう言って、一斉に今度は目をそらした。
「ぜひ、そうであってほしいです。…来週は朝から夜までスケジュール詰まってるので、再来週の空いてる時間に来たいと思います。」
と、少し困ったように笑いながら、ナムジュンさんがそう言った。
さっき、下でコーヒーを飲みながら、BTSの特集を組んでいる雑誌を読みあさったから、やっと、顔と本名が一致した。
『わかりました。では、またご連絡ください。』
エレベーターが地下に到着したことを知らせる。
「ジミナをよろしくお願いします。」
エレベーターを降りて、ナムジュンさんがそう言って頭を下げ、他のみなさんも、それにあわせて頭を下げてきた。
『はい。少しでも早く回復できるように、私も精一杯サポートさせていただきたいと思います。』
「お願いします。」
そう言って、メンバーの皆さんは車に乗り込んでいった。そして、最後に乗ったテヒョンさんが、満面の笑みでこちらに手を振る姿が、なんだかとても可愛らしかった。
でも、さすがに手を振り返すことはできないので、笑顔で見送った。
車が地下を出ていくのを確認して、ジミンさんが待つ、11階へ戻った。
このあと、全く予想もしていなかった事が起きるだなんて知らずに_____。
952人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミルキー | 作成日時:2018年5月2日 8時