ver.yellow ページ4
side you
疲れと、最近急に寒くなっているせいか、朝から熱っぽい。でもそんなことで休める訳もなく薬を飲んで会社に来ていた。
なんとかなると思っていたけど、この時間になってしんどくなってきた。耐えろ私。
『Aさん、この資料今日中に完成させといてー、じゃ、僕はこれで。』
気がつくと、会社に残っているのは私とセンラ先輩だけだった。先輩はかっこよくて、仕事もできる。私に雑用とか面倒を押し付けてこない先輩。女性社員の憧れだ。
セ「おー、こんな時間か。あっ、Aちゃんまだおったん?!あ、あれやろ、またアイツらに仕事押し付けられたんやろ?」
「ま、まあ私が引き受けている事ですし…」
『大変やなー』なんて言いながら私のデスクに近づいてくる先輩。
セ「ん?顔赤ない?熱ある?」
「いや、朝からなんか熱っぽいんですけど薬飲んでるので大丈夫です!」
次の瞬間とても冷たい手が私のおでこを覆った。
セ「あっつ……やっぱ熱あるって。Aちゃん電車やんな?今日はセンラが車で送ったるから」
「いやいや!申し訳ないですし、帰れますし!」
セ「だーめっ!先輩命令!しかもその資料、Aちゃんがやる必要ないやつ!明日俺からあいつに言っとくから、今日は帰ろ!な?」
子供を宥めるような、ちょっぴり甘い声。
先輩のこと好きだったんだ。多分、認めたくなかったんだ。人気者で、届かないってわかってるから自覚するのが怖かった。
でも、今日分かっちゃった。せっかく好きな先輩と2人なのに、風邪って…
セ「どうしたん?行くで。」
その間にも体は重くなっていく。『1人で帰れますから』と言おうとした時、目の前に腕が差し出された。
セ「立たれへんのやろ?捕まっていいから。倒れても支えたるから安心し。」
躊躇ったのだが、極限まで先輩に体重をかけないようにして立つ。
ギリギリまで自力で帰ろうとしたのだが、ほぼ押し込まれるように車に乗せられる。
セ「風邪の女の子に散々仕事押し付けた上で1人で帰らせるとか、先輩失格やで」
家まで送ってもらい、お礼を言って車を降りる。
「すみません、私なんかのために……」
セ「いいって言っとるの!明日は無理して来んでええから。ゆっくり休みや。」
「…はい。ありがとうございました。」
セ「…しか………………よ」
何か言った気がしたけど気のせいだ。
side snr
僕の声は届いたのだろうか。
『好きな子にしか、こんな事せえへんよ。』
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シロマリ(プロフ) - 隠れん坊オンライン勢〜仁兎さらさん» ありがとうございます!更新頻度は気まぐれですが、頑張ります! (2019年9月27日 22時) (レス) id: 733482b1be (このIDを非表示/違反報告)
シロマリ(プロフ) - 狐火さん» 私も言われたことあります…。絶対に言ってはいけない言葉だと思いますし、今後そのようなことを言う人が居なくなることを願うばかりです。 (2019年9月27日 22時) (レス) id: 733482b1be (このIDを非表示/違反報告)
隠れん坊オンライン勢〜仁兎さら(プロフ) - 面白いですね!更新ファイトです!応援してますよ! (2019年9月26日 22時) (レス) id: cd4238eb04 (このIDを非表示/違反報告)
狐火(プロフ) - 菌が移るはよく言われる。 (2019年9月26日 16時) (レス) id: ec71d3b988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シロマリ | 作成日時:2019年9月22日 17時