12 ページ12
安田side
Aは僕が思っていたより
何倍も弱かった。
普段はそんなところ微塵も見せへんくせに…
あの時は違った。
僕が手術の事を告げた時…
声を上げながら大号泣しとった彼女を
僕は守らなあかんと思った。
やから…
“手術が失敗する”とか“死ぬ”とかいう事は
一切考えへんかったし、浮かんでもけぇへん
かった。
彼女があんな思いを抱えて
僕が退院するのを待っとった事を僕は気づかん
かった。
姉貴に言われるまで…。
ホンマにアホやな…僕は。
誰よりも先にAの所に行くべきやった。
自分で初めて“俺がおらなっ”と思った
女の子はAだけやった。
恋人同士な訳やない…
家族な訳でもない…
曖昧な関係のまま…
僕が彼女に甘えておったから…
傷つけてもうた。
戻って来たらちゃんと伝えよう。
“帰って来る時間分かったら連絡して。
迎え、行く。”
早く会いたくて、メッセージを送った。
久しぶりに連絡が帰って来た。
“分かった。
明後日、10時にこっち出る。
そっち着く頃また、連絡します。”
いつもよりサッパリした内容やった。
それでも…嬉しかった。
彼女を待つ時間は
初めて恋した感覚に似てるような気がした。
最寄りの駅のロータリーに車を停め
彼女が下りて来るのを待つ。
安「Aっ！」
思わず叫んでもうた。
気付いた彼女は慌ててこっちにくる。
「バカっ！目立つでしょ…もう…。」
そう少しプリプリしながら後部座席に乗る。
安「ごめんて〜。」
車に乗り込んだ彼女は外を見たまま
一言も喋らんかった。
彼女の家に着いて部屋に入るまで
僕と一度も目を合わせてくれへんくて…
内心ビクビクしとった。
リビングに入ると荷物を置いた彼女
僕の方を見て…目に沢山の涙を溜めていた。
「連絡…全然返さなくてごめんね。
ちゃんと頭冷やして来たから…。
私ね…
都合のいい女でいいの。
恋人じゃなくていい。
ただの…幼馴染みでいい…から
章大を支えたい。
章大のそばにいたい。
もう…
欲張ったりはしない。
高望みもしない。
章大を好っ…」
僕はAを抱きしめた。
安「ごめん、そんな追い詰めておったなんて
思わんかった。
僕が…
甘え過ぎてたんやな。
Aやったら…大丈夫、
言わんくても伝わると思っておった。
ちゃんと伝えんくて…ごめん。
曖昧なままキスして…ごめんな？
A？僕の彼女になって下さい。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 279人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すばくら | 作成日時：2019年7月3日 5時
