twenty eight ページ29
廉「やったら、一緒に帰らへん？その足やったら、歩きにくいやろ？」
「え、あ、でも」
廉「あ、迷惑とかやったらごめんな？
せやけど、今も普通に歩くの精一杯な感じしたし、
樹が何気なく呟いてて…………佐久間歩き通学やろ？
俺、自転車通学やからさ……」
迷惑なんて思ってないけど
もしこのせいで、永瀬くんが命を落としてしまったら？
私はどうするの？
また、あの"悪夢"を見なくちゃいけないの？
なんて思ったら、永瀬くんを巻き込みたくないなって
段々と語尾が小さくなっていくのを聞いていたら、
この一言言うのに相当の勇気を使ったんだなって思い知らされたような気がした
「えっと……迷惑…………じゃなければ……お願いします」
廉「迷惑やないよ。全然」
"そうと決まれば"なんて言われて、
姫抱きをされ永瀬くんの自転車がある駐輪場まで運ばれた
先生とはまた違った、心臓の高鳴りがあった
先生と違って細い腕
優しい眼差しに、少しだけ早い脈拍
身長の高さも違って
好きな人の近くで見る景色と、友達の近くで見る景色は
全く違っていて
やっぱり、先生のことが好きなんだなって
永瀬くんの自転車の荷台に乗って、永瀬くんの腰に腕を軽く回した
廉「そんなんで落ちんといてな〜。
下り道あるから振り落とされるかもしれへんで」
なんて、ただの脅しにしか聞こえなかったけど
永瀬くんの腰に抱きつくようにしてまた腕を回し直した
それを確認したあと、自転車のペダルが動き出した
少し寒い風が体に当たって
どこかそれが心地よかった
私の今までの考えが全て綺麗になくなる気がして
何も言わず進んでいく永瀬くんの自転車
私の知っている街並みをちょっと通り過ぎて
着いた先は落ち着いている可愛らしいカフェ
私の家はここじゃないんだけどな……なんて思いながら、永瀬くんが自転車からおりる
私を持ち上げて地面に足をつかせる
自転車の鍵を閉めて、また私を持ち上げる
慣れた様子でカフェのドアを開けると、
可愛らしい制服を着た綺麗な女(ひと)が立っていた
私を見るなり、驚いた顔をして
？「あら、廉、どしたの？」
なんて落ち着いた声を出して平然を保っているように見えるけど、
実際はそんなことないらしい
結構動揺していて、
手は震えているし足も上手く動いていないように見える
廉「あ〜、ちょっと、な。なんか飲みもん持ってきて欲しいんやけど」
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さな(プロフ) - ほのさん» え、本当ですか！？気をつけてたんだけどなぁ……教えて頂きありがとうございます！ (2019年8月22日 13時) (
レス) id: d6e98db13a (このIDを非表示/違反報告)
ほの - ふっかの名前が辰也になっているんですが辰哉ではないですか？お話はとても面白いので更新頑張ってください！ (2019年8月22日 13時) (レス) id: 44252da1e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：wwssseee | 作成日時：2019年7月4日 22時
