sixteenー過去ー ページ17
あれから何日経っても、目を覚まさなかった
私が退院する日になっても、目は開かなかった
あれから、お兄ちゃんが目を覚ましたのは、小学２年生の頃
「お兄ちゃん！！！」
笑顔で私を受け入れてくれた
「ごめんね、我儘ばっかりで」
大介「夏輝が生きててよかった……」
あの日と変わらない笑顔で、抱きしめてくれた
でも、お兄ちゃんが退院することは無かった
段々と壊死していくお兄ちゃんの体
そんなお兄ちゃんを見てることが出来なくて、
少しずつお見舞いに来る頻度が減っていった
しまいには、心臓移植……
いや、全ての臓器移植を行わなければならない体になってしまった
着々とお兄ちゃんのドナーの優先順位上がっていくと共に、
日に日にお兄ちゃんの体は弱っていった
それでも、私を安心させるために無理して笑って
知ってるんだよ
お兄ちゃんが夜な夜な苦しんでるの
夜な夜な涙を流し続けてること、
夜な夜な苦しんでること、
夜な夜な吐瀉物を吐いてること、
夜な夜な咳き込み、その度に血を吐いてしまってること
苦しい現実から目を背けてるだけの私
そんな私が生きる価値はない
お兄ちゃんは、みんなに愛されている
愛され続けている
だから、生きる意味があったんだ
大介「俺、移植手術受けない。
他の人の命もらって、のうのうと生きれない」
お兄ちゃんは、そう言った
何度も聞き返した
何度も受けてもらうようにお願いした
でも、頑にその考えを変えようとはしなかった
お兄ちゃんが、受け入れる権利拒否する権利を持っている
お兄ちゃんが、あの書類にサインをしたら、もう取り返しは付かない
どうしても、お兄ちゃんには生きて欲しかった
でも、その日は来た
大介「ごめんね。夏輝、もう書類出しちゃった」
「えっ……」
言葉を無くした
話せれなかった
言葉が出なかった
喉の中心でなにか重くて硬い固まりが、息の通り道を塞いで
呼吸が出来なくなった
「なんでよ。お兄ちゃんはみんなに愛されてるんだよ」
大介「夏輝だって、愛されてる」
「お兄ちゃん…………」
大介「ただの綺麗事だって言うだろうけど、聞いて？
俺は、たくさんの人からの愛情をもらって今まで生きてきた。それは、夏輝も一緒なの
夏輝が、俺の事を守りたいって思うことと同じで、
俺も、夏輝のことを守りたいんだ」
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さな(プロフ) - ほのさん» え、本当ですか！？気をつけてたんだけどなぁ……教えて頂きありがとうございます！ (2019年8月22日 13時) (
レス) id: d6e98db13a (このIDを非表示/違反報告)
ほの - ふっかの名前が辰也になっているんですが辰哉ではないですか？お話はとても面白いので更新頑張ってください！ (2019年8月22日 13時) (レス) id: 44252da1e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：wwssseee | 作成日時：2019年7月4日 22時
