fifteenー過去ー ページ16
あの日、私はいつも通りお兄ちゃんと散歩してた
手を繋いで
まだ小さかった私を楽しませるように、歌も歌ってくれた
そんな小さな頃から、良くしてもらっていたのが、
阿部先生、
ひーくん、
しょーたくん、
ふっかさん、
舘さんだ
あの日は、いつも通りだった
私の体調が優れないこと以外は
大介「夏輝？大丈夫？？帰ろ？」
「いやだぁ！おにぃちゃんとあるくの！」
馬鹿な私だよ
中学生になったばっかりのお兄ちゃんを困らせて
将来、大きな夢を持ってるお兄ちゃんを困らせてばっかりで
たくさんの我儘を叶えてくれたお兄ちゃん
あの日は、そう簡単に行かなかった
大介「帰って遊ぼ？」
「いやぁだぁ」
大介「ほら、立って？」
最初は優しかったお兄ちゃんも、段々と怒りを露わにしてきた
最終的には、私が道路の真ん中で座って泣いて
喧嘩したままだった
背を向けて歩いていったお兄ちゃんを追いかける気力が無くて
そんな元気もなかった
大きな車のクラクションの音が近くで聞こえた
その音の方を見ると、1台の大きなトラック
ｷｷｰｰって大きなブレーキ音
ゆっくりと向かってくるトラックに、
大きな声で私の名前を呼ぶお兄ちゃんの声
全てがスローモーションに見えた
温かくて大きな手に引っ張られて、外に投げ出される
そこからは、一瞬だった
ﾊﾞｧｧﾝ!!
普段聞かない何かと何かがぶつかった音
小学１年生だった私は、身体中に血がついていて
そんな大事にはならなかった
でも、
トラックの下敷きになってるお兄ちゃんの姿
トラックの下から流れ出てくる赤黒い液体
私の全身にその血が張り付いてきた
必死にお兄ちゃんと元へ歩いていって、名前を呼んだ
赤く染ったお兄ちゃんの手を強く握りしめた
助けて欲しいって何度も声を荒らげた
目の前で目を瞑ってる大好きなお兄ちゃんの姿
笑いもしないその無表情の顔が、私の恐怖心をさらに掻き立てた
救急車が来て、真っ赤な血で染った私を見て、お兄ちゃんを見て
涙で、パニックで
呼吸がままならない
次に目が覚めたのは、見慣れない天井を見つけてからだった
少し動くと全身に回るからだの痛み
隣で静かに眠ってるお兄ちゃんの姿
私の周りにも、お兄ちゃんの周りにも人がいた
いつもお兄ちゃんと笑いあってた人達
私が起きたのを確認して、泣いていた
「お兄……ちゃ、ん」
呼吸もしずらい、声も出しずらい
でも、名前を呼んで欲しかった
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さな(プロフ) - ほのさん» え、本当ですか！？気をつけてたんだけどなぁ……教えて頂きありがとうございます！ (2019年8月22日 13時) (
レス) id: d6e98db13a (このIDを非表示/違反報告)
ほの - ふっかの名前が辰也になっているんですが辰哉ではないですか？お話はとても面白いので更新頑張ってください！ (2019年8月22日 13時) (レス) id: 44252da1e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：wwssseee | 作成日時：2019年7月4日 22時
