fourteen ページ15
いつもの聞きなれたベルの音がして、頭を下げる
「いらっしゃいませ」
顔を上げたそこに立っていたのは、私もみんなも知ってる先生だった
久しぶりに顔を出した先生にふっかさんが口を開く
その瞳は少し潤んでいたようにも見えた
辰哉「あべちゃん！久しぶりだな」
亮平「久しぶりってほどでもないだろ〜。昨日あったし」
厨房でミルクティーを作っていたはずの舘さんも、
あの時の笑顔で、笑っていた
何を今更思い返してるのだろうか
あの話はもう終わったことじゃないか
いい加減、思い返さないようにしないと……なんて思っても、出てくるのはあの日のことばっかり
亮平「夏輝ちゃん、まだ辛い？」
先生と、ここにいる人しか知らない
あの時の過去
もう思い返さないから
絶対に思い返さないから
お兄ちゃん、私を見てて
みんなも、私を見てて
あれから、他愛もない話をしてお店を閉めた
制服から私服に着替えて、〜DREAM〜を出たのは未だ少し明かりが駆っていた
「お兄ちゃん…………」
綺麗な夕焼けに一言声が漏れた
隣を歩く、先生もふっかさんも舘さんも辛そうだった
私を護っちゃたりしちゃったから
お兄ちゃんは、生きなきゃダメだったんだよ
こんなにも思ってくれる人がいるんだから
？「佐久間ぁ！」
遠くから走ってきたのは、クラスメイトの人
クラスでは珍しい関西人で
久しぶりに呼ばれた苗字に胸が飛び跳ねた
廉「めちゃめちゃ探したんやで〜。ほんま……
これ、あの時貸してくれたハンカチ。
これなかったら、俺生きてられへんくらいやもん」
「そんな感謝されても…………」
廉「またいつか、お礼させて欲しいねんけど」
「いや、お礼なんかいいよ。当然のことだもん」
廉「ほんま、佐久間のそういうところ好きやわ〜。
まぁ、お礼は絶対するからな？
んじゃ、また明日〜」
そうそうと帰っていった永瀬くん
なんかよくわかんなかったけど、
誕生日プレゼントでお兄ちゃんから貰ったハンカチが返ってきて良かったな、なんて
佐久間……
久しぶりの苗字
本当に忘れかけていた
私自身の苗字を
忘れたらいけないはずなのに
忘れたい過去の1部に、私の苗字がくっきりと入っていた
亮平「夏輝ちゃん？」
いつまでたっても歩き出さない、私に違和感を感じた先生が私の元へと戻る
ふっかさんも舘さんも、不思議な顔をしてた
だって、佐久間大介の妹が私って知らないのだから
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 157人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さな(プロフ) - ほのさん» え、本当ですか！？気をつけてたんだけどなぁ……教えて頂きありがとうございます！ (2019年8月22日 13時) (
レス) id: d6e98db13a (このIDを非表示/違反報告)
ほの - ふっかの名前が辰也になっているんですが辰哉ではないですか？お話はとても面白いので更新頑張ってください！ (2019年8月22日 13時) (レス) id: 44252da1e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：wwssseee | 作成日時：2019年7月4日 22時
