SNOW MAGIC（緑） (ページ20)

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空を見つめていた春ちゃんと目が合った

家の中に戻って、ココアを春ちゃんに出す

ゆっくりと微笑みながら飲む

その姿を春ちゃんにバレないようにこっそり写真に収めた

1時間経つと、予想通り完璧に積もっていた
暖かい格好をして2人で外に出る

「わぁ…………」

止んでしまった雪

何センチか高く積もっている雪に目を輝かせる
玄関から1歩外へ出ると足跡が残る

「楽しい……！」

後ろの足跡を見て喜んでいる

その姿が可愛くて可愛くて

笑顔にならない人なんかいるのだろうか、

いや、
癒されない人なんているのだろうか

「春ちゃん、公園、行ってみよ？」

そっと右手を差し出す

うん、って頷いて俺の手に左手を重ねる
俺よりも小さい手が暖かい

春ちゃんが歩く度に
『ぴょこ…………ぴょこ…………』

なんて効果音が着きそう

そんなに雪が楽しいのか、俺よりほんの少しだけ歩くペースが早い

「楽しい？」

「うん！楽しい！」

思ったより笑顔になってくれている春ちゃん

そんな姿に心からホッとした

公園に着くと、俺の手を離して一気に走り出す

『危ないよ！』

なんて言う暇もなく雪に足を取られてしまってコケていた

「大丈夫？」

急いで走っていって、声をかける

幸い、コケてしまったところの下は雪で、怪我をしているところはなさそう

「んふふ笑」

顔を覗き込んでみると笑っている

不意にもキュンとしてしまった自分がいた

「うん、大丈夫……コケるなんて思わなかった笑」

「もう…………びっくりしたよ」

少しずつ慣れてきた会話

敬語からタメに変わっていて、それが嬉しかった

小さな頃からずっと敬語だったから
タメに変わってきたことが1番嬉しかった

「ごめんね？」

下から見上げられて、
まさに、
上目遣いの状態

それプラス光の関係で、潤んでいるように見える春ちゃんの瞳

許さないわけないだろう

「ううん、春ちゃんが無事でよかったよ」

公園でしばらくずっと遊んでいた

『疲れた』なんて言って公園のベンチに座りに行く
俺は、写真を撮った

春ちゃんの歩く姿を、この公園の景色と共に
春ちゃんが、ベンチに座ったのを確認して雪だるまを作り始めた

最初はひしひしと感じていた視線も、そのうちに感じ無くなっていた

それだけ真剣になっていたのだろう

「春ちゃん…………？」

雪だるまを作り終えて、春ちゃんが座っていたベンチに目を移す