･ ページ26
そっと包まれる感覚
うっすらと目を開けると阿部さんの胸が私の顔に当たっていて
抱きしめられてるんだって考えるのも時間はかからなかった
普段なら振り払えるような力なのに、
どこかその温かさに頼ってしまっている、
甘えてしまっている自分がいた
「泣きたいだけ泣こ？」
その言葉が、胸に突き刺さって
大ちゃんがいつも言ってくれていた言葉と一緒で
さらに胸を締付ける
「こんなにも好きなのに…………ｯ」
こんなにも好きなのに、
こんなにも大好きなのに、
私は大ちゃんの苦しさに気づいてやれなかった
その事が何より辛くて
今更悔やんでも仕方ないのに
ここに大ちゃんの存在はないのだから………………
阿部side
「好きだなんて一言も言えなかった」
小さな声で呟く夢田さん
悲しそうな表情が、
苦しそうな表情が、
辛そうな表情が、俺の胸を締付ける
なぁ、佐久間
お前は幸せだったんだな
いるはずもない佐久間に伝えるように胸の中でつぶやく
しばらくして泣き止んだ夢田さん
その瞳は瞑っていて、完璧に眠っていた
「おやすみ」
椅子から、ベッドへと移動させる
頭をそっと撫でて、寝室を出た
「佐久間………お前はまだ想われてるよ。お前が1番愛してる人に」
ベランダ
夜風が心地よく吹いていて、今日はよく月が見えた
小さく小さく呟いた声は、たまたま吹いていた風と共に消えていった
〜過去〜
小学生、俺と佐久間は同じ小学校だった
中学生、俺は受験をして佐久間とは違う中学校に通った
時々勉強をしに俺の家に来る佐久間
その頃からちょくちょく聞いていた
好きな人がいること、
その人が可愛いこと、
みんなから愛されてること
佐久間がそんなに大事に思う人が俺は気になった
体調がなかなか優れないことも聞いていた
病院に勧めたのは俺
まさか、
大きな病気になっていることなんて知らなくて
俺の家に来る頻度も少なくなった
その代わりに、夢田さんと一緒にいる時間が増えたのだろう
それで良かった
いや、そう出ないと俺が佐久間にキレている
「病気のこと、俺絶対にAに言わない」
そう聞いた時は、衝撃だった
きっと、佐久間も考えたのだろう
しんどくなるくらい夢田さんのことを想ったのだろう
考えた結果がこれなのだろう
だからこそ、何も言えなかった
「そっか…………」
それ以上、何も言ってやれなかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 219人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美紀 - SnowMan大好きです最高です亮平くんと涼太君と翔太くん寄りのオール担当です気温の変化が激しいので気を付けて更新大変だと思いますが頑張ってくださいね応援してます (2019年12月22日 17時) (
レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - レモンさん» 泣けてくるシーン！？どこだ！？笑作った本人がよくわからなくなってくるよーな、この作品を見てくださってありがとうございます！無理をしない程度に皆様に満足いただけるような作品作り頑張っていきます！！ (2019年6月3日 22時) (レス) id: d6e98db13a (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - こんにちは。途中で泣けてくるシーンもありこの後のエピソードが気になります。無理はせず更新頑張ってください！ (2019年6月2日 13時) (レス) id: e5fea39f47 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - 望愛さん» 本当ですか！？さなは、見たまんま？の阿部さん担（？）です！惚れちゃってぇ笑更新頑張ります！応援ありがとうございます！ (2019年5月22日 22時) (レス) id: d6e98db13a (このIDを非表示/違反報告)
望愛(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです…わたくし照くん担なんですけど、阿部ちゃんに惚れちゃいそうです、、ぐは(鼻血)更新頑張って下さい！ (2019年5月22日 20時) (レス) id: 75c0eead52 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：wwssseee | 作成日時：2019年4月6日 19時
