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TH side
俺、前までどんな風にAに連絡してたっけ。
Aに会いたい。
会いたいけど、よく考えたら俺は最低なことしてる。
勝手に手出して
Aが嫌がることして
そして自分が何をしたのか、忘れたフリをして。
自分勝手で、ワガママ。
「…タナ、」
ソファーに座り込んだ俺の足元をぐるぐる歩き回ってるタナ。
寂しい？
Aのこと大好きだもんね、タナも。
「電話しよっか」
どんな顔して会えばいいのか分からない。
でも本当のこと言ってさらに嫌われて、
二度と会ってくれなくなるなんて耐えられない。
それならもうちょっと、嘘ついてていい…？
忘れたフリしてて、いい…？
「…ん、A〜？」
『“どした〜？”』
「タナがおやつほしいって」
『“は？昨日買っただろ”』
「新しいの食べたいって」
『“デブるぞ”』
「あ！ひどーい、タナ聞いた？Aがさ…」
『“だあああっ！分かったって、待ってろ”』
ブチ、って切れた電話。
電話の向こうのAは相変わらずいつも通り。
朝はそれがつらかったはずなのに、今は少し安心してる。
Aに好かれるより、
Aに嫌われたくない気持ちの方が強いみたい。
「タナ、もうちょっと待っとこうね」
わんっ
元気に返事してしっぽフリフリしてる。
…ごめん、タナを理由にA呼んじゃった。
でもタナもAに会いたがってるからいいよね。
「…ねえタナ、俺ねAのこと好きなの」
「どういう好きだと思う？」
ちら、ってタナを見れば首を傾げてる。
…かわい。
「…キスしたいの好きだよ、」
「もっと、その先のいろんなことしたい、好き」
「Aの全部は、俺でいーの」
ソファーにパタ、って倒れて欲を話すけど
叶うことは無いんだよ。
なんでだろうね、こんなに好きなのに。
俺が女の子だったら良かったのかな。
そしたら俺のこと好きになってくれてた？
気づいた瞬間にほとんど終わってた俺の恋。
行き場のない気持ちを持て余してて。
どこにどうぶつけたらいいのか分からない。
ピンポーン
「あ、来たね。タナお迎えしよ」
お人形さんみたいなタナを抱き上げて玄関に向かう。
さあ、切り替えなきゃ。
昨日みたいなことはしちゃいけない。
本気で嫌われる。
『タナぁ、お前のために走ったぞ！』
「んふ、ありがとって」
またAの優しさに甘える。
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リト - とても大好きな作品が見つかりました！他の作品も全て漁ります☀︎ (2022年4月13日 22時) (
レス) id: 2df230b8f3 (このIDを非表示/違反報告)
sumiko(プロフ) - 素晴らしく良かったです。ご馳走様でした！！ (2021年3月5日 23時) (レス) id: bc2f027781 (このIDを非表示/違反報告)
きよ - 更新ここまでほんっっっとにお疲れ様でした！これからも頑張って下さい！ (2021年3月1日 21時) (レス) id: dec5fc1270 (このIDを非表示/違反報告)
sumiko(プロフ) - うわぁ。もう、続きが楽しみ〜。(≧◇≦) (2021年2月28日 23時) (レス) id: bc2f027781 (このIDを非表示/違反報告)
taitaitai_123(プロフ) - とても続きが気になります！更新楽しみにしてます！ (2021年2月21日 17時) (レス) id: 02fd041d28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らぐまっと
| 作成日時：2021年1月2日 10時
