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TH side
「…んぅ、タナぁ…じゃない、A…？」
ギューって抱きしめてたのは、
タナでもAでもなくて、クッション。
あ…今日もソファーの上で寝ちゃった。
ズキズキ頭が痛んで、昨日お酒を飲みすぎたことを思い出す。
お酒苦手なくせに飲んじゃったから…二日酔いとか慣れてない。
「A、」
きょろきょろリビングを見渡すけど、Aはいない。
いつもだったら、その辺に寝転がってるのに。
…嫌われた、かな。
あんなことしちゃったんだもん、当たり前だ。
『あ、テテ起きた？』
「っ！A、」
『勝手に風呂借りたわ、相変わらずいいお家だこと』
急に後ろの扉が開いて、タオルを首にかけたAが入ってきた。
ガシガシ髪を乾かすAはいつも通り。
まるでなんにも覚えてないみたい。
「A…俺、昨日さ、」
『…うん、』
「…なんか変なことしてた？なんにも覚えてないんだけど」
『……、』
嘘。
全部覚えてる。
Aの体温も、えろい顔も、甘い声だって。
俺の右手だってまだ、Aの熱をはっきり思い出せる。
『…別になんにも？テテはほんと酒弱いな』
「…そっか、うん、」
『どうせ二日酔いだろ？仕事大丈夫？』
「ん、大丈夫だよ」
そっか、そうなんだ。
Aはやっぱり、無かったことにしたいんだね。
俺は、Aにいつも通りに接してもらうことを望んでたはずなのに。
現にAは昨日のことは忘れて、
あくまでも友達として接してくれてるのに。
いざこうやって言われると、つらい。
『…テテ？どした？気持ち悪い？』
「…ぐすっ、うん、くるしい、」
『トイレ行くか、あ、水飲む？』
「っ、くるしいよ、A…っ」
1回Aに触ったら、全部忘れよう、って。
Aのこと好きなことも忘れよう、って。
決めたのに…っ、
なんで、できないの、
「ぎゅーして、よしよしして、」
『…甘えただなぁ、二日酔いなるとそうなんの？』
「…なる、なるから、…そばにいて、」
『…ん、いーよ』
Aにぎゅ、ってされたままソファーに座る。
髪から香るシャンプーの匂いは俺と一緒。
それに混じってる落ち着くAの匂い。
Aごめん、
ワガママな俺を許して。
『まだ時間余裕ある？』
「うん、」
『じゃあもうちょい寝てな』
俺の髪を梳くAの手が心地よくて、
またすぐに意識を飛ばした。
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リト - とても大好きな作品が見つかりました！他の作品も全て漁ります☀︎ (2022年4月13日 22時) (
レス) id: 2df230b8f3 (このIDを非表示/違反報告)
sumiko(プロフ) - 素晴らしく良かったです。ご馳走様でした！！ (2021年3月5日 23時) (レス) id: bc2f027781 (このIDを非表示/違反報告)
きよ - 更新ここまでほんっっっとにお疲れ様でした！これからも頑張って下さい！ (2021年3月1日 21時) (レス) id: dec5fc1270 (このIDを非表示/違反報告)
sumiko(プロフ) - うわぁ。もう、続きが楽しみ〜。(≧◇≦) (2021年2月28日 23時) (レス) id: bc2f027781 (このIDを非表示/違反報告)
taitaitai_123(プロフ) - とても続きが気になります！更新楽しみにしてます！ (2021年2月21日 17時) (レス) id: 02fd041d28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らぐまっと
| 作成日時：2021年1月2日 10時
