私の方が可愛いはず。【あんスタ】 (ページ6)

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その49 約束のはずページ6

『私も気付いてたけどね。レオくんだな～って』

「じゃあ敬語で話しかけるなよ！おれ、約束のことも全部忘れられてるんだと思ったぞ！」

ぷりぷりと怒るレオくんは子供みたいだった

タイムリミットって。私は約束のことを子供同士の口約束にしか思ってなかったし、守られることはないと自覚していた

呼び方を昔のようにしなかったのは、レオくんは3年生で私は1年生だったから。それだけ

「またおれは約束破ったんだってずっと怖かったんだ」

『……また？』

「昔、Aが家出したことあっただろ。そのまえにさ、約束したじゃん」

”もし、わたしが消えちゃったらいちばんにみつけてね！”

『なつかしー！え！あの時のことも覚えてんの！？』

「…結局、秘密基地に隠れてたAを見つけたのはナナセで、おれは約束を守れなかった」

たしかに。記憶が曖昧だけど、秘密基地で眠っている私をお姉ちゃんが見つけて、家に連れ戻されたんだっけ

お姉ちゃんはいつも、私を探してくれるの

『でも、見つけてくれたでしょ』

「あれは乗ったバスにAが偶然乗ってただけだろ～……」

『探そうとしてくれた？』

そう言うとレオくんはぷいっと顔を背けた

あの日、帰りのバスでずっと考えてた

旧友には言われなくても帰るなんて強がったけど、本当は戻るのがすごく怖かったし、あのまま寝過ごして、また逃げちゃおっかななんて思ってたくらい

『起こしてくれて嬉しかったよ。レオくんが探してくれなかったら、またどっかに逃げてたかもしれないし。私、ビビりだから』

『迎えに来てくれてありがとう。レオくん』

「～～！そうかそうか！！まぁ、このおれにかかればいつだっておまえのことを見つけられるからな！どこにだってエスコートしてやるぞ、お姫様♪」

『……そういうのはステージの上だけで大丈夫です』

ばちこーん…☆とウィンクを決めてくる顔面国宝天才作曲家に一瞬心臓が跳ねた気もするが、当方プロデューサーなので。アイドルとの距離感は一定に保つのがルールなので！！

ぱたぱたと意味もなく少しだけ火照った顔を仰ぐ

レオくんじゃなくてもこれから3年間、顔の良い人間に囲まれて青春を過ごす中、恋愛感情を持ってはいけないというのは鬼畜すぎる気もする

本気でアイドルのことを愛していて、自分の青春も全て捧げてしまえるあのプロデューサーは、本当にすごいと思い知らされる

もう秋なのに、暑くて仕方がない