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宿｢もっと俺を頼れ、A。｣
貴｢！！｣
そう言う宿儺様は、少し寂しそうな顔をしていた
貴(私は、大きな勘違いをしていたのかもしれない…)
心配をかけまいと、我慢していた事が逆に宿儺様に心配をかけてしまい、更に私が宿儺様を頼りにしていないと思わせてしまった
ｶﾞﾊﾞｯ
貴｢宿儺様！｣
上半身を勢いよく起こしたせいで、少し目眩がしたがそれに構わず続けた
｢私は、ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ、宿儺様をとても信頼しています！
ただ、、頼り方が、分からないんです…｣
宿儺様は二本の腕で、ふらついている私を支えてくれた
宿｢そうだな、、
俺の前ではもっと弱くなれ｣
貴｢え？弱く？｣
宿｢そうだ。
俺も他人を頼ったことはないからな、お前にどうこう言える立場でも無いのかもしれんが…
人を頼るというのは、自分の弱さを見せ、欠けた部分を相手に補って貰うことだと思わんか？
だがお前は俺の前では、常に完璧であろうとする。｣
貴｢…｣
宿｢それでは無理もすることになるだろうよ。
なぁ、Aよ、辛ければ辛いと言え。
苦しければ苦しいと言え。｣
そんなことを、言われたのは、
生まれて初めてだった。
辛くても、苦しくても、痛くても、死ぬまで全て我慢して周囲の期待に、父の期待に応える
それが椿家での私の役割だった。
だけど、宿儺様は私にもっと弱くなれと仰る。
それが頼る方法なのだと
貴(いいのだろうか……いや、きっといいのだろう。ここは椿家では無い。もうあそこでの意識に囚われる必要はないのだ。
それに何より、『もっと俺を頼れ』と言った時のような悲しい顔を、もう二度と宿儺様にさせたくはなかった)
貴｢………弱音を、吐いてもいいんですか？｣
宿｢あぁ｣
貴｢……助けてと、言っても？｣
宿｢あぁ、お前が求めれば俺はいつでも手を貸そう｣
宿｢A、お前は独りではないのだぞ｣
『独りではない』
その言葉が、私にどれ程の安心と幸福を与えるのか、宿儺様は知っていたのだろうか
涙が止まらなかった
きっと宿儺様は私を励まそうとか、良い言葉は無いだろうかと探してそう言ったのではないと思う
おそらく本当にそう思って下さっている
心からの本音だ。
だからこそ、救われる
その言葉は、私を過去から救い、未来への光となる
そして何より、私が宿儺様のもとに居ていいという『証』となる
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たわし - 尊い、、、。ぬふ、ぬふふ (2021年3月7日 14時) (
レス) id: 6472def61e (このIDを非表示/違反報告)
さとる - 尊い泣ける (2021年3月7日 13時) (レス) id: 63ad36ada3 (このIDを非表示/違反報告)
yu(プロフ) - 一気読みしました！！すごいおもしろいです！！ (2021年3月6日 22時) (レス) id: 96a71449d3 (このIDを非表示/違反報告)
三隣亡 - とても面白いです！！これからも頑張ってください！続きを楽しみにしてます！ (2021年3月4日 3時) (レス) id: 9280cade43 (このIDを非表示/違反報告)
猫人形 元猫耳ｱﾔﾂﾘ人形 (°∀° )(プロフ) - こういうの読みたかった！書いてくださりありがとうございます…> < 読んでいてとっても楽しいです！更新楽しみにしています！ (2021年2月17日 6時) (レス) id: d4943c1156 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わさ | 作者ホームページ：http://sakikoni0708
作成日時：2021年2月13日 0時
