喧嘩 #29 ページ9
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クライマックスシリーズ第1試合目は阪神タイガース戦。
チームの中で少しピリピリとした空気が流れつつも、試合は14:00から行われた。
"ハマの黄色い悪魔" 誰かがそう言っていたのを覚えている。彼らはベイスターズに圧倒的な強さを持っていた。
柴「A。後半は俺に任せてね。」
『はい。よろしくお願いします、柴田さん。』
僕はスタメンで出場していたが、6回表からセカンドを柴田さんに預けることになった。
7-1とかなり有利な試合だったが、一気に流れが向こうに行ったのが7回に入ってから。
どんどんと阪神の選手が放った打球が外野前に飛んでいく。
そして、北条さんの打球が弧を描きレフトスタンドに吸い込まれた。
『、、、まずいな。』
阪神の勢いは止まることなく、8回で逆転の一打を許した。
しかし、打線はもう力を発揮し尽くしていて得点ははいらず試合終了。
今回は監督の采配ミスだな、、なんて少し考えていたが、それよりも許せない人がいた。
『あの、光さん。』
試合後、裏に早足で立ち去った彼を追い掛け声をかけた。
振り向いた光さんの目はいつもよりも酷く冷たく、まるで僕を睨むかのようだった。
光「何?」
『5回裏の"あれ"。いくらなんでもよくないです。』
僕が言う"あれ"というのは、5回裏一死満塁の場面であった光さんの打席で起こったこと。
チャンスで上手く打つことの出来なかった光さんは、フットガードを地面に叩きつけたのを僕は見ていた。
僕の言っている意味が理解出来たのか、光さんは無言で僕を見つめていた。
光「Aに何がわかるっていうの?」
そして淡々とした口調で話し始めた。
光「いいよね。Aはなんでも出来て。守備だってバッティングだって。ほんと羨ましいよ。」
光「俺は今日何も打ててない。Aはタイムリー打ったよね。嫌味でも言いに来たってこと?」
光さんからは、いつもの姿から想像できないような言葉が溢れてくる。
『違います!!僕だって悔しいのはわかりま「ちょっと1人にさせて。」
反論しようとすると、光さんは僕の言葉をさえぎって去っていった。
『そんな人だと思ってなかったです。』
小さくなっていく背中にそう投げかけたが、光さんの足は止まることは無かった。
私は昨日の試合を現地で見ていました。悔しいし少し酷いと思った試合でしたが、光さんの行動が何よりショックでした。
次回も続きを書きます。
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にゃあ - 受験がんばってください!待ってます!良いお年を。 (2019年12月26日 13時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
にゃあ - 続き、楽しみにしています! (2019年12月22日 15時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
にゃあ - りあ。さん» 清宮選手が転んでしまったシーン、可愛かったので録画で何回も見ました(笑) 頑張ってください! (2019年12月4日 0時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
りあ。(プロフ) - にゃあさん» コメントありがとうございます!分かってくださいますか!!私は清宮くんが転んで大の字になるやつが大好きです笑 更新頑張ります!! (2019年12月2日 7時) (レス) id: 29b03a1336 (このIDを非表示/違反報告)
にゃあ - 珍プレー好プレー見ました!可愛く見えるのすごくわかります! 更新楽しみにしています。頑張ってください! (2019年12月2日 0時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りあ。 | 作成日時:2019年9月27日 0時