青い鳥 #3 ページ17
･
･
『梶谷さんって太りましたね。』
Aは俺にそう言った。えっ、失礼じゃない？
梶「急にどうした。びっくりするぐらい失礼じゃん。」
俺が少し唖然としながら言うと、Aは焦って『いや、ええことやと思てるんですよ！』と言った。
『梶谷さん、結婚する前までは痩せとったから幸せ太りしたんやなーっ思て』
Aは『ええですなー笑』とニコニコした。
確かに、結婚してからは食生活がしっかりしてきて体重が増え続けている。
梶「そうかも。でも、Aだって痩せてるじゃん。」
俺がそう言うと、Aは『うぐっ、、』と声を漏らし図星の様子だった。
『、、、痩せて見えますか？』
少ししゅんとしたA。でも、がっちりしているとは言えないしなー、、
梶「まあ、世に言う細マッチョ的な？」
俺がフォローのつもりで言うと、『あんまり嬉しない、、』と唇を尖らせていた。
『どないしたらチャモさんとか成也みたいな、ムキムキな感じになれますかね？』
ぶっちゃけ俺に聞かれても、、と思いつつも考えた。
梶「やっぱ食事じゃない？タンパク質とるとか。」
まあ栄養バランスも大事だけど、と言うと『なるほど！！』と納得したっぽい。
『ほな今日から体重増やします！！』
梶「おー、頑張れ。170cmだから63kgくらい？」
理想的な体重の目安を言うと、『＋5kg、、』とAは少し弱々しく言った。
『太らへんでも、野球ができて幸せならええんですけどね。』
そう言うAは開き直ったような感じだった。
梶「実際そうだな。」
『梶谷さん、奥さん大事にしてくださいね。』
Aをちらりと見ると優しく微笑んでいて、俺は不覚にも綺麗だと思ってしまった。
梶「当たり前。言われなくてもしてるし。」
俺が強がってそう言うと、『そうですね。梶谷さんええ夫さんっぽいし。』とAは笑った。
梶「Aの幸せは？」
『俺はここに入れるだけで幸せです。』
そう言って、Aは今年、もう試合が行われないハマスタのグラウンドを眺めた。
『またここで、0から始めるんです。みんなで。』
立ち上がり、振り向いたAは『さっ、行きましょー！』と歩き出した。
こいつといると、不思議と笑顔になれるし辛いことはすぐ忘れられる。
きっと、お前はファンに、俺たちに幸せを運ぶ青い鳥だ。
そんな鳥は今日もこの横浜で、誰かを幸せにしている。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 99人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃあ - 受験がんばってください！待ってます！良いお年を。 (2019年12月26日 13時) (
レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
にゃあ - 続き、楽しみにしています！ (2019年12月22日 15時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
にゃあ - りあ。さん» 清宮選手が転んでしまったシーン、可愛かったので録画で何回も見ました(笑) 頑張ってください！ (2019年12月4日 0時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
りあ。(プロフ) - にゃあさん» コメントありがとうございます！分かってくださいますか！！私は清宮くんが転んで大の字になるやつが大好きです笑 更新頑張ります！！ (2019年12月2日 7時) (レス) id: 29b03a1336 (このIDを非表示/違反報告)
にゃあ - 珍プレー好プレー見ました！可愛く見えるのすごくわかります！ 更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2019年12月2日 0時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りあ。 | 作成日時：2019年9月27日 0時
