ウチとアンタと、キミの言の葉10

第379話 ページ9

簓side


兄ちゃんのその笑みにどんな意味合いが含まれて含まれているんかは俺にも完全には分からへん


けど何か意味合いのある言葉やっていう事だけは窺える


簓「…ホンマにそないおまじない？」


フロイド「ホントだってぇ

最後くらい別に良い事しても良いでしょ？」


ジェイド「…ふふ、フロイドってば」


もう1人似た顔の兄ちゃんがそない言うて笑うから、まぁそれならそういう事でもええかって一応流す


簓「…そうなん？

まぁええわ、けど…妹に何かやらかしてくれとるんなら今度兄ちゃんらどつきに行くで？」


フロイド「ふふっ、お前もおもしれーね

俺らと同じ匂いするぅ」


ジェイド「血の気が多い所がよく似ています」


簓「自分で言うん？

…俺愚連隊におった事はあるけど、基本的に普通やで？」


フロイド「まぁそんなのどーでも良いけど

でもそれがおまじないなのは本当だよ、じゃあまたねぇ」


簓「…ほんならおおきに、またな」


そない言うて、もうそれ以上は振り返らんと妹を抱いてこの世界の住人達に背を向ける


一期一会の挨拶を交わすかのように、あっさりした会話でお互いのいるべき場所へ向かうかのようにして


アズール「…」


ジェイド「フロイド、貴方は一体何をやったんですか？」


フロイド「え〜？おまじないだって言ってるじゃん

「俺らと茎ワカメがまた巡り会えますように」、っていうおまじない」


ジェイド「ふふ…やはり貴方は天才です」


フロイド「あはっ、俺ちょー良い事したよね？」


アズール「…縁を結んでまた巡り会える確率を上げた、という事ですか？

成る程…フロイドの割には頭を使いましたね」


フロイド「俺「もうこれっきり」なんて一言も言ってねーもん

今度は俺らから会いに行くでしょ？縁を作っておけば楽に行けるだろーし」


ジェイド「ふふ、当然その通りです

向こうが仮に僕らの事を忘れてしまったとしても、また巡り会って思い出していただければそれで十分です

始まりは何であっても良いんですよ、何がその後起きるかが重要です」


アズール「その時には今と違う形で、また彼女と遠く離れる事のないように心理的距離を縮められればと願いますね」


フロイド「茎ワカメは「変わらない」って言ってるけどそれもどーだろね」


ジェイド「彼女の今後の活躍に期待です」


そない言うて笑てる誰か(ヴィラン)の事は俺は知らんで、行くべき鏡のある広い部屋に行って俺は帰る準備を整え始めていた

第380話→←第378話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す