ウチとアンタと、キミの言の葉10

第395話 ページ25

その後も大した内容のない話で新しく生まれる知人と会話を交わす


物事の始まりやきっかけは大したもんと違くて、多分後にどうなるのかが重要なんやってウチは思う


これもきっと未来へ繋がる1ページで、未来のウチがこれを良く思うか悪く思うのかは判断していくのだろう


そない他人事みたくウチは未来のウチに丸投げして今を生きる


人生とは未来があるから成立している長旅なんやろなって、何となくウチで思ってみたりして


零「嬢ちゃんは分かってねぇだろうが、盧笙はこの8ヶ月自分の時間ができるうちはほぼ毎回ここに通ってたんだぜ？」


『…他に色々やればええやん

ウチで人生無駄にしてる気がするで、盧笙には盧笙の時間があるんに』


零「そりゃ本人に直接言うんだな

だがな嬢ちゃん、少なくとも盧笙は自分でその時間を決めてるんだ

そこに意味合いがあるって気付いてやりな」


『…そない言われてもなぁ

ウチ人間の思考は分からんわ』


零「そりゃ永遠のテーマだからな、人生における」


『ところで今日って何月何日？』


零「うん？…今日は2月の13日だな

それがどうかしたか？」


『…いや、なんか変な感じがするんよ

時差ボケしてるみたいっちゅーか、今日が何月何日か分かるのに分からんねん』


零「そりゃそうだろ

8ヶ月ってのは結構長い時間だって言う事だ」


『…それもそか』


零「嬢ちゃんは夢見ている時間に何してきたの？

分かるのに分からないって事はその間に何かあったって事じゃない？」


『…せやね、長い夢を見とったわ』


零「ほお？」


『…内容までは具体的に覚えてへん

けど不思議な世界にウチがいたんよ、ほんで色々やってたわ

魔法使いがいっぱいいる楽園で…』


零「へぇ、そりゃ随分とファンタジックな夢を見てたんだな

嬢ちゃん、残り40分で語れるかい？」


『…無理やと思う

長いんよ、ウチが真面目に話すると』


零「そうかい

そりゃ随分と色々な事が詰まった夢だったって事だろうな」


『…そうかもしれんね』


そうしてウチはその40分、何が起こるかも分からんままに会話で成立させる事で生きる選択を取っていた

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