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第85話 ページ40

アズールside


訳が分からないから、僕はそれを「苦手」や「嫌い」という言葉に落とし込む


彼女が仮に悪ではないとしても、そうやって彼女の全てを悪として落とし込む方が僕にとっても都合が良いのだ


だから決して彼女に心を与える真似をする気はない


フロイド「…アズール、ちょっと良い?」


でもこの日をきっかけに、僕はその気持ちを少し変えていく


変わる事がない彼女を、きっとどこかで守っていたいという意思を僕は抱いているのだ


初期の自分ならきっと「嫉妬」や「嫌悪」に落とし込んでいた感情を、「理解」と「協調」という似ているが方向性の違う全く別の何かに変換するに至ったという訳だ


それだけ彼女は不可思議な人間だとも言えるのだろう


アズール「…何ですか?」


フロイド「ルグレ・セイランって奴の所行ってくるから、しばらく俺らが帰って来るまで起きててもらえない?」


アズール「…は?」


フロイド「魔法使えない茎ワカメちゃんに魔法使ってきた馬鹿な奴から何しでかしたか聞いてくるの

それでヤバい魔法だったら解除魔法か魔法薬で治療かするから、俺らにどうにもできないものだったらアズールに頼んでどうにかしてもらいたいから」


アズール「…僕を巻き込むな

勝手にやれ」


フロイド「アズールさ、そーいう所ちょっと直した方が良いよ?

自分が「そういう」感じになれないからって、何も悪くない茎ワカメちゃんに当たるのすげーカッコ悪いって俺思う

本音ではオンナノコだし、自分の事大事にして欲しいなって思ってるんでしょ?」


アズール「…」


フロイド「…ま、俺には関係ねーからどーでも良いけど

それに茎ワカメちゃんもちょっぴり変な所あるしねぇ」


フロイドはそう言って、僕をせせら笑うようにしながら僕の部屋を出て行った

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作者名:ユウ | 作成日時:2021年7月31日 13時

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