ウチとアンタと、キミの言の葉2 (ページ37)

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第82話ページ37

フロイドside

『…あ、せや

ウチも一つ気になる事聞いてもええ？』

フロイド「…うん？内容によるけどいーよぉ」

『兄ちゃん達さっき魔法で喧嘩しとったやん？

その時その宝石みたいんがついとるペン使てやってたけど、それって魔法使うための道具なん？』

フロイド「え、今更？」

『…いんや、それならそれでええんや

気になるから聞いてみたっちゅーだけで』

たまに俺は茎ワカメちゃんの事がよく分からない

俺の事をジェイドは「予測不可能」とかって言うけど、それなら俺はこの茎ワカメちゃんが1番予測不可能って思う

ジェイドは予測できない事なんてないっつーか、分かってるのに本当に自分で馬鹿な事をやる「癖」があるっていう認識を俺はしてるだけで、「予測不可能」って言葉を当て嵌める相手じゃない

だからきっと本当の意味での「予測不可能」は茎ワカメちゃんに使うのが正しいって思う

ジェイド「何故敢えてそのような事を聞くのですか？

何か理由がきっとあるのでしょう？」

『…いんや、実は初日に雑巾の水被っただけやのうて、それ使て誰かに何かやられてるん

何されとるんかまではウチも分からんねんけどな』

フロイド「…は？」

例えばこういう所

自分に起きた悪い出来事を「何も自分は危害を受けていません」っていうあっけらかんとした態度で全部話す

何でも許しているっていうか、何か自分に起こっている出来事に当事者意識を持っていないっていうか

言い方を変えるなら、まるで「肉体と心がまるで違う生き物」をしているみたいなおかしな部分がある

ニンゲンってそういうものなの？

そんな事ないって俺は一応思ってるんだけど、それは本当に俺の偏見なのかな

ジェイド「…その相手の顔は？」

『顔？…ウチの好みと違うから覚えてへんわ

名前はルグレ、いう兄ちゃんやったって思うけど』

あとはこの、何つーか俺らに理解できない「自分ルール」がある事で俺らは茎ワカメちゃんの完全理解に追いつけない

芯って言えば良いのか、何となく「守っている信念」があるんだろうなっていう事だけは分かる

それをオトナのやる事だって言うのか、アズールみてーに「プライドがある」って言うのかそれは俺にもよく分からないけど、何となくそれが邪魔だ

フロイド「…ちょっとその話真面目に聞いても良い？」

俺はそう言って、「何事もない」で問題を隠し通そうとする茎ワカメちゃんとまともに取り合うつもりでいた