ウチとアンタと、キミの言の葉2 (ページ19)

今日:8 hit、昨日:5 hit、合計:22,169 hit

第64話ページ19

簓side

零「…俺もそれには同意かな」

簓「…！？」

盧笙の話を聞いて、俺が何も知らんかった事を自覚している時に、零は盧笙の話を聞いて俺にそう言う

零「嬢ちゃんは簓のために消えるって選択をしている

だけどそれはそもそもが前提としておかしいんだ、その意味では俺は嬢ちゃんのやり方が正解だって思いはしねぇ」

簓「…待てや、零は一体何を知っとるん？」

その物言いに零も何かしら俺のよう知らん事を知ってるんやないかって思て、俺は疑いの目を向けてそう言う

零「嬢ちゃんには病院で巡り会った時が「はじめまして」だ

けど嬢ちゃんの出来事は俺も飴村乱数から聞いている」

簓「…ッ…何で今まで黙ってたんや！？」

零「俺の中にも色々考えってもんがあるんだよ

人から聞いた事鵜呑みにしたって自分の目で確かめなきゃそれが真実かどうかなんて分からないだろ？」

そう言われて俺も正論や思て黙る

零「…そもそもは飴村乱数は簓の妹を中王区の役人に仕立て上げるために襲撃するって話になってるんだ

俺らの抑止力にするために」

簓「…」

零「だが実際にはそうはならずに嬢ちゃんは昏睡状態に陥った

それがどういう意味か分かるか？」

簓「…分からんわ

飴村乱数も中王区も最低やっちゅー事だけはよう分かるけど」

零「飴村乱数は守ったんだよ

…「嬢ちゃんの意思」を」

俺は何も言葉がうまく自分に刺さって来ない感じがして、それでも零の言葉をうまく噛み締める

零「飴村乱数が言ってたんだ

状況を全て説明しても嬢ちゃんは不敵に笑って受け入れる算段を整えていたって

どころか、「自分は別に何が起こっても自分のままでいられる自信があるから好きにやれ」って、あいつら(中王区)の傀儡に変わる事にも抵抗の意思を示さなかったそうだ」

簓「…」

零「…俺はそれを聞いて思うんだよ

嬢ちゃんはきっと、簓が自分を倒してくれる事に期待しているんだって

何が要因かは知らねぇが、お前さん達の間に何か解決しねぇと前に進めない、デカイ因縁があるって事になるんじゃねぇの？」

そう言われて、でもその「因縁」っちゅーのが何なのかも思い当たらなくて、俺はじっと黙りこくっていた