ウチとアンタと、キミの言の葉

第10話 ページ13

簓side


あの日も普通にいつもと同じ日で終わると思ってたんや


第2回ディビジョンラップバトルが終結して、日常に戻っていく俺らと一緒に世界も普通に落ち着きを取り戻していつも通りになるはずの1日やった


トウキョウでバラエティ番組の収録があるから、朝早くから家を出てオオサカに帰るのは収録終わった翌日になる予定の1日


そんな1日に、俺の知らん所で大きな出来事が起きてはったん


簓「…？」


収録も終わって、新幹線を待つ間暇になるからゆっくりトウキョウ観光でもするか思ってそこら辺を彷徨いていた時や


知らん番号から電話かかってきて、イタ電ちゃうかと思ったけど何となくで出てみた時に聞いたのはAが病院で寝ているって言う連絡やった


声が一回り以上俺より高くて、その声は焦燥に満ちているようにも聞こえた


女「…白膠木Aさんのお兄さん、で正しいですか？」


簓「…？」


女「白膠木さん…いえ、Aさんが病院で今…」


簓「！！」


その連絡を聞いてすぐに俺はオオサカに戻って、Aがいるって言われた病院へ駆けつける


そこにいたのはAを心配そうに見ているベージュ色の綺麗な格好した姉ちゃんやった


すぐにAの会社の知り合いなんやろなと予測もついた


女「…白膠木さん…」


簓「Aは…？」


病室で姉ちゃんにそう問いかければ、近くにおった主治医の兄ちゃんはやがてこう答える


医者「…理由は不明ですが昏睡状態に陥っています

目を覚ますかどうかも…」


俺はその日、1日で世界が大きく変化する無慈悲さを1人でひしひしと噛み締めていた

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