才媛のヴァイオリニスト[Alan_S] (ページ4)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:49,091 hit

余計なお世話ページ4

｢ねぇ、Aさん最近授業よく抜けるよね。｣

『え？』

｢前にも弦楽器のときよく抜けてたし...
もしかして苦手だからとか？w ずる！w｣

『いや...あの...』

｢てかいつもしかめっ面だし。
なんでこの学校に来たのか不思議でたまんない。｣

オケ部がいないからって性格が豹変。
やっぱり女子は怖いなぁ、なんて思いながら無視を続ける。

｢なに？シカト...？｣

『...』

｢おいっ...｣

麗｢杉野...Aさんいます？｣

｢麗華さん！！｣

無視し続けて、腕を掴まれた瞬間
ドアの方から如月麗華の声がした。

聞き間違えかと思ったが、間違いなく私の名前を呼んだ。

『はい...』

麗｢ちょっと音楽室までついてきてくださる？｣

『はぁ...』

私はそのまま如月麗華のあとについて音楽室に向かう。普段は上品で美人で、完璧な女子だが裏の顔はやばいという噂だ。

周りの目もあるし、あまり歯向かいたくはない。

『あの...要件は...』

先｢あぁ、来たね。｣

『え？』

麗｢先生お優しいから。
Aさんのために昼休みにわざわざ個人レッスンをして頂けるそうよ。｣

先｢如月さんも手伝ってくれるんだって。
良かったわね、苦手も克服できるわよ。｣

何もわかっていない、苦手なくらいでここまで逃げるわけがないだろう。

ここまで言われても私は弾く気にはなれなかった。

『結構です。』

麗｢なっ...｣

『苦手とかそういう問題じゃないです。』

先｢じゃあなん...｣

『言いたくありません。』

麗｢ちょっと！その物言い失礼じゃ＿｣

先生に向かって理由は言えないが弾きたくないなんて、少々強引なところもあるが...

私は如月麗華が言葉を発している途中で音楽室から出ていった。

横目で見た彼女は、恥をかかされたと言わんばかりに顔を真っ赤にしていた。