九十三 ページ18
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「何でこんなことしてんだろう」
Aは椅子に座り、楽しそうに遊ぶ子供達を見つめていた。
子供が多く集まり、身体を涼ませる夏を象徴する場所。
「…銀さん、助けて貰ったお礼は確かにしますけど、何でここでこんなことしてるんですかね私」
「るせえなあ。暑い場所苦手なんだろ、お前。外で働くより全然いいだろうが」
銀時はチューペットを咥えながら、だるそうに水面を見つめていた。
夏の風物詩。
プール遊び。
A達は、プールでの監視員を勤めていた。
以前、万事屋三人は勤めていてやらかしたことがあるようで、大人しく仕事をしていた。
日中、ひの屋で働く日が少なくなることを日輪達に伝えれば、
「あら、そうなの?じゃあ、晴太と月詠にたまに遊びに行かせるわね」
とすぐに許可がおりて。
「Aちゃん!!来たよ〜!」
晴太が手を振りながら、こちらに走って向かってくるのが見えた。
「ちょっと、走ったら危な」
走ってくる晴太を止めようと、足を向ければ、
「うわっ」
時すでに遅し。
晴太は濡れた地面で足を滑らせる。
慌てて、Aは晴太を抱き抱えるも、
「へっ?」
「えっ?!?Aちゃ?!」
足を滑らせ、身体のバランスを崩す。
晴太を抱き抱えたまま、地面と衝突した。
「いっっつつつつ。晴太君大丈夫??」
「大丈…わ…」
晴太の顔は、Aの胸元にあって。
水着を着ていたが、露出する胸に、鼻からだらだらと血が流れる。
「わー!!晴太君打ちどころ悪かった?!大丈夫?!」
「何、てめえはToLOVEる起こしてんだ」
銀時は呆れたように晴太の首根っこを掴んだ。
「Aちゃん、ごめ…」
「大丈夫!大丈夫!怪我がないなら別に!」
「晴太が大丈夫なら、俺も大丈夫だな。よしA、俺もぱ」
言葉を遮るように、クナイが銀時の額に刺さる。
月詠は呆れたように溜息をつき、晴太を拾い上げた。
「ぬしのはToLOVEるではありんせん。確信犯じゃ。よう、A。うまくやっておるか」
スタイルの良い月詠を見て、Aは自分の胸元を見た。
(ぱふぱふできるほど持ち合わせてないんですけど)
口を尖らせて、
「なんとかうまくやってますよぅ」
と不機嫌になって言えば、月詠は首を傾げた。
(もう少し、女らしくなればもっと見てもらえるのかなあ)
女として憧れる月詠を見て、Aは物思いにふけていた。
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Nattu(プロフ) - connyさん» connyサン!再度コメントありがとうございます。嬉しいです^^いつの間にか4作目で、私自身いつ終わるんだろこれ…状態なので何シーズン続くか未定です笑 これからも温かく見守っていただけると幸いです* 長きに渡るこの作品を読んで下さり誠にありがとうございます (2021年3月3日 12時) (レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
conny(プロフ) - シリーズ4個目…本当にすごいです…!続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年3月3日 0時) (レス) id: 712cd20bd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nattu | 作成日時:2021年2月25日 21時