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九十壱 ページ16

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「坂本さんってよくわからない人ですよね」



Aの言葉に、坂本は酒を飲む手を止めた。



「優しいのか、意地悪なのか。今日だって、ほら…こういう場所来てるのに、手出してこないし」



「出して欲しいんか」



「いやそういう意味じゃなくて」



にこにことしながら近づく坂本をAは押し退ける。
抗争する最中に互いの首巻きは、はらりと落ちた。



「そういう冗談通じてるのか通じてないのかわからない態度やめて貰えます?」



そう言って、Aは分かってる癖に、と呟いた。
坂本はあはは、と笑い、怪しい笑みを浮かべる。




「明るくて優しい方が、近づきやすいじゃろ」



「…人誑しというか、悪い人ですねほんと」




Aは呆れたように、グラスを手に取る。



「ずぅっと優しい男よりも、時々意地悪な面があっても良かろう?」



坂本はそう言って、Aの手にあるグラスを奪う。

ソファーは、Aの方に体重がかかり、ぎしりと音を立てた。
坂本は赤い舌で唇をぺろりと舐める。




「…さ、A。わしに相手して貰えんで寂しかったろう」




「別に寂しくなんか」




「見とったぜよー?おりょうちゃんと話すわしを、不機嫌そうな顔で見よった酔っ払いを」






いつの間にか坂本に組み敷かれていて、Aは動けないでいた。
逃げ出そうとソファーの肩掛けに置いた手を、押さえつけられる。




「あれはわざと坂本さんが見せつけてきたんじゃ」




「言い訳ご無用。しーっかり妬いとった癖に」




坂本の唇が、Aの首元に落ちる。
それにびくりと身体を震わせれば、坂本の口角は上がる。





「ほおん。色々言うといて拒否せんとは。よっぽど寂しかったんじゃのう」





怪しい笑みに、Aはぞくりと腰が浮くのを感じた。





「〜ああっ、もう。勝手にして下さい」






Aの赤面した顔で、身を預ける姿に、









「一番、わしが可愛がってやるぜよ。A」









坂本の瞳はより青く光った。

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Nattu(プロフ) - connyさん» connyサン!再度コメントありがとうございます。嬉しいです^^いつの間にか4作目で、私自身いつ終わるんだろこれ…状態なので何シーズン続くか未定です笑 これからも温かく見守っていただけると幸いです* 長きに渡るこの作品を読んで下さり誠にありがとうございます (2021年3月3日 12時) (レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
conny(プロフ) - シリーズ4個目…本当にすごいです…!続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年3月3日 0時) (レス) id: 712cd20bd6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Nattu | 作成日時:2021年2月25日 21時

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