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八十八 ページ13

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「お前もなかなかやるねぇ。男だけじゃなく女も落とすなんて」



銀時はひゅうと口笛を吹いた。
吉原に向かうAの後ろを歩いていた。



「おりょうさん、素敵な女性ですから。私も惚れたうちの一人です。罪ですなあ」



Aはわざとらしく笑って、楽しそうに歩いた。
その足取りは軽快で。
そんなAに、



「そうだよなあ。辰馬も惚れた女だ。お前も好きになるよな」



と銀時は、試すように話しかけた。
Aの肩はぴくりと揺れるも、足は交互に動かすままだった。



「A、辰馬と喧嘩してんだって?」



「喧嘩じゃないですよ」



「ったく…









辰馬じゃなくて俺にすればよかったのに」




銀時の言葉に、Aは振り向いて銀時の顔を見た。
その顔はすこしむくれていて。
悪戯心に茶化したことを反省し、



「冗談だよ。間に受けんな。もうとっくの昔に諦めてるよ」



と平静を装い、謝罪した。


(ったく、相変わらず世話の焼かせる奴なこって)


銀時は大きな溜息を一つ。
不思議そうに見るAに、



「お前さ、本気で辰馬が夜這いしたと思ってんの」



と問いかければ、



「へ…?どういうことですか」



と間抜けな声をあげる。



「確かにあいつは頭は空っぽだ。だけどあいつが相手の許可をとらずに事に及ぼうって男にはどうにも見えないけどねえ。





…特にA。大事にしているお前相手にするように思えねえよ」




銀さんと付き合ってたらそれは保証できなかったかもな、と手をひらひらと振りながら、Aを見送った。

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(私のとんだ勘違いかもしれない)



銀時の言葉に、Aは動揺していた。
営業がまだ始まっていない空の客席で、そわそわとしながら座っていた。
携帯電話を持ち、坂本の連絡先を見て、指先をうろうろと迷わせる。


(でも、私が坂本さんを傷つけたかもしれないんだ。謝らなきゃ)


Aは、坂本の電話番号を勢いよく押した。
プルルと音が鳴る。

ワンコール。

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ツーコール。

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スリーコー









「もしもし、艦長の携帯ぜよ。どがあしたA」




電話の主ではなく、姉の声で名前を呼ばれた。


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Nattu(プロフ) - connyさん» connyサン!再度コメントありがとうございます。嬉しいです^^いつの間にか4作目で、私自身いつ終わるんだろこれ…状態なので何シーズン続くか未定です笑 これからも温かく見守っていただけると幸いです* 長きに渡るこの作品を読んで下さり誠にありがとうございます (2021年3月3日 12時) (レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
conny(プロフ) - シリーズ4個目…本当にすごいです…!続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年3月3日 0時) (レス) id: 712cd20bd6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Nattu | 作成日時:2021年2月25日 21時

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