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「……あんがとよ、Aちゃんが手ェ繋いでてくれたおかげでよく眠れたわ」
「それは良かったですけど…、」
くくっといたずらに笑っている銀時さんの顔色は、さっきよりも多少良くなっている。
(……少し、耳が赤いような気もするけど)
「……わ、私、ご飯作ってきますね」
「まじでか、助かる」
「ちゃんと寝ててくださいよ、」
「おー」
彼が楽しそうに笑うのが恥ずかしくて、私は慌てて部屋を出た。
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「どうぞ、」
「美味そう…いただきます」
「ふふ、火傷に気をつけてくださいね」
あちっ、と言いながら、次々と卵雑炊を口に運ぶ銀時さん。食欲も十分あるようで、安心した。
薬を飲むためにも、ちゃんとご飯は食べないと。
「……うま、」
「良かったです」
「それにしても悪ィな。神楽か新八辺りに頼まれたんだろ?」
「……いえ、私から行きたいって言ったんです。銀時さんに会えないと、寂しいですから」
「……え」
私の一言に銀時さんはポロッとスプーンを落とす。
ボボボッと顔が赤くなった銀時さんは、フラッと布団に倒れ込んでしまった。
「ぎ、銀時さん!」
「め、召される……」
「召される!?」
目がぐるぐると回っている銀時さんの額に手を当てると、また熱が上がってきてしまったのか随分熱い。
「ちょっとAちゃん、ストップ…、」
「えっ、あっ、すみません!」
「や、ごめんそうじゃなくて…」
パシ、と私の腕を掴んだ彼に、触れられたのが嫌だったのかとすぐに手を引っ込めると、申し訳なさそうに眉を下げた。
ポリポリと頰を掻いている彼はどことなく気まずそうで、私の頭はハテナで埋まる。
「二人っきりでこの近さは流石に我慢の限界っつーか、そもそもギリギリセーフだったのがギリギリアウトになりそうっつーか、銀さんの銀さんが…」
「言わせるかァァァァァァ!!」
「新八くん!?」
いつの間に帰ってきていたのか、スパァン!と襖を開けて来たのは新八くん。
そのままズカズカと歩いて来ると、彼にげんこつを一つ。
そのまま白目を向いて倒れ込んだ銀時さんの横で、私は唖然とその様子を見ていた。
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日向(プロフ) - 由菜君さん» わああ嬉しいです…!!!キュンキュンして頂けて良かったです!ありがとうございました…! (2021年2月12日 13時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 381さん» そう言っていただけてとっても嬉しいです!!こちらこそ素敵なコメントありがとうございました…! (2021年2月12日 13時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
由菜君 - めちゃくちゃキュンキュンしました、、!すっごく良かったです! (2021年2月9日 21時) (レス) id: dc79ac4bfc (このIDを非表示/違反報告)
381 - 神楽ちゃんがおもしろくて、、、一気に読ませていただきました!とっても素敵な作品をありがとうございますッ! (2021年1月25日 21時) (レス) id: 664ca7d814 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - Kさん» まさにそういったものが描けたらと思って作った作品なので、そう言って頂けて本当に本当に嬉しいです…!ドキドキさせられて良かったです!こちらこそこの作品に出逢って頂いてありがとうございました…! (2021年1月23日 22時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日向 | 作成日時:2020年11月1日 19時