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一瞬でカタはつく。
ハッキリ言って、つい最近まで普通の女子高生をしていた彼女を殺すことなど容易い。
「邪魔しないで！！」
けれどそう叫びながら個性で枯れ葉を飛ばしてくる彼女には目を見張った。
彼女の個性は葉っぱや花びらを操ることができるという物で決して戦闘向きではないし、操るというより舞わせることくらいしかできなかったはずだ。
個性が成長しているあたり、しっかり異能解放思想には染まっているらしい。
でも、やっぱり所詮はこの程度。
「邪魔するよ。私の役目なんだから」
飛んできた葉を丁寧に一枚ずつ全てナイフで切り裂いく。
力の差は歴然だけど、それでも諦める気などない様子で向かってくる彼女に感心した。
疑う余地もないくらい、彼女は立派に敵で解放軍だ。
「遅い…！」
周りの解放戦士たちをナイフで斬りつけ彼女を追い込む。
一気に間合いを詰めると彼女が私の速度に反応できるわけもなく、足元を掬われて倒れ込んだその真上に飛び乗りナイフを振り上げた。
「…っひ！」
すると反射的にだろう、彼女は怯えながら腕で顔を覆って震えていた。
その様子に私はやりきれない気持ちでいっぱいになった。
「…まるで相手にならない。死にに来たの？」
幼馴染みの彼女なら、私が昔からどれだけ鍛えてきたかよく知っているだろうに。
覚悟があるのはいいことだけど無謀すぎる。
「っ…Aはそんな酷いこと言わない…！」
どうせ最期の会話になるだろうからと、彼女の言葉を聞くことにした。
「なんで！？あんな優しかったのに…！本当にAは私を殺せちゃうの…！？」
「だって弔さんの邪魔しようとするから」
「今まで敵連合のせいで死んだ人たちにもそう言える！？」
「弔さんの夢を阻むなら、それは必要な犠牲だと思う」
「なっ……」
「ねぇ、好きな人の夢を応援したいのって、そんなに変なこと？」
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作者名：さかさま | 作成日時：2022年4月20日 22時
