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「これまでもこれからも、こっちの情報は大方筒抜けだと思った方がいい」
不定期的に、けれど比較的頻繁に行われている荼毘さんとの密会。
3〜4日に1度くらいの頻度で夜中に荼毘さんの自室にて私たちはお互い情報交換をするようになった。
「あの羽根万能すぎませんか…」
ホークスの剛翼は振動で音を把握することができるらしくこれがなかなか厄介だ。
羽根一枚くらいどこにでも潜ませることができるだろう、奴がアジトに来た時は発言に常に気を張らなければ。
「荼毘さんの調べ物は進捗どうです？」
「上々と言いたいところだが、軍隊ごっこのせいで自由な時間が減っちまったからなぁ…」
参ったと言いたげにわざとらしく両手を上げて困った風な荼毘さん。
私と荼毘さんの見解ではホークスを通じてヒーロー側にはこちらの現状を知られているはず。
ヒーローからすれば弔さんという最大の脅威が動けないという絶好のチャンス、必ず4ヶ月の時を待たずに最高指導者の不在を狙って超常解放戦線になんらかの奇襲を仕掛けてくるだろう。
私たちですら氏子さんの研究施設の所在地は知らないのであちらにはヒーローの手も及ばないだろうが、こちらのアジトは知られてしまっている以上襲撃は免れない。
「なんにせよ急ぐつもりだぜ？いつ奴らが襲ってくるかもわからないしな」
相手に情報が漏れていると分かっているのに何もできないのが歯痒い。
荼毘さんの計画の邪魔をせず、かつ奇襲の被害を最小限に抑えられるようないい考えはないだろうか。
「う〜〜〜ん…」
弔さんが目覚めた時にはすでに超常解放戦線全滅、なんて事態になったら合わせる顔がない。
私はこの4ヶ月間、彼が帰ってくる場所を守らなければいけないのだ。
頭を悩ませ唸りながらクッションに顔を突っ込んだ私は何もいい案が浮かばずそのまま静止してしまう。
「寝るなら部屋戻れよ」
「…寝てません」
何かいいアイデアが浮かぶまで今日は寝られない。
こうしている間にもヒーローは私たちを出し抜こうと画策しているのだ。
もしかしたら奇襲は明日かもしれない、そう思うとゆっくり睡眠を取ることさえ憚られた。
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作者名：さかさま | 作成日時：2022年4月20日 22時
