【ヒロアカ】死柄木弔の忠犬５ (ページ13)

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「…止まった？」

崩壊の波からトゥワイスさんたちに庇ってもらいながらなんとか有効範囲から逃れることができた。
以前から弔さんの崩壊の伝わるスピードはあんなに速かっただろうか。
途中、逃げ遅れて巻き込まれ崩れていく解放戦士たちを何人も見た。
かくいう私も未だに心臓が早鐘を鳴らしている。
比較的タワーの近くで戦っていたのもあって、あと少しでも気付くのが遅れていたら私も逃げ遅れていたかもしれない。

「Aか…！？何があった！？」

するとすぐ近くに停まっていた選挙カーの影からスピナーさんが現れた。
大きな怪我はないだろうその様子に少し安心したのも束の間、

「スピナーさん！恐らく弔さん…が……」

振り返り徐々に晴れていく土煙の隙間から見えたまっさらな大地に言葉を失った。
隕石でも墜落したかのような巨大なクレーターとその中心に立っている主の姿が神々しく思えて、自然と涙が溢れた。

「とむら…さん…」

ガタガタで歪な地平線が綺麗に思えた。
彼が誰よりも自由であるように見えた。

この光景は今まで見てきた何よりも美しかった。
そして今ここに新世界の王が生まれ、その誕生の瞬間に立ち合ったのだという感動で胸がいっぱいになった。

「誇りに思います…！」

見たか解放軍。
これが死柄木弔、私の主君。

もう誰も私たちを止められない。
　
　
　