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「死柄木さんは知ってますか、私はオールマイトから聞いたんですけど」
オールマイト、という単語に死柄木さんはわずかに表情を歪める。
「名だたるヒーローたちは、目の前に困ってる人や助けを求める人がいると考える前に体が動いてしまうそうなんです。
その上で、あの事件以降薄々思ってたんです。私きっとヒーロー向いてないんだなって。
あの時私は目の前で倒れてる先生や友達を見ていることしかできなくて、動くことなんてとてもじゃないけどできなかったんです。
その、緑谷くんとか他にも何人か、あなたに立ち向かっていった生徒がいたと思うんですけど。その姿を見て余計自分が情けなくなって。
そもそも私、ヒーローになりたくて雄英に入ったわけではないんです。私の夢は昔から変わらず、主君を見つけて仕えること。そのために強くなりたくて、個性を活かして訓練ができる雄英に入ったんです。人助けが主なヒーロー活動は、主君を守るという行為に通ずるものがあるとも思ってました。
でも、USJでのことをきっかけに、私みたいなヒーローになる適正もない中途半端者が雄英のヒーロー科にいてはいけないんじゃないかって」
ずっと引っかかっていた、この数ヶ月間。
私はヒーローになれるような人間じゃないとあの時思い知ってしまった。
何度も考え直しもした。ヒーローの心構えはこれから身につければいいのだとも。
それでもその度頭によぎるのは、目の前の彼。
「どうすれば、いいんですかね」
こんなこと言われても死柄木さんは困るだけだ。
そう分かってはいるけど、ここ数ヶ月クラスメイトにも幼馴染にも家族にさえも言えなかった。
誰にも相談できなかった心のわだかまりを口にしだしたら、止まらなくなってしまった。
こんな半端な考えが頭にありながらも、周りも自分の心も騙しながら送る雄英での生活は知らぬ間に私の心を蝕んでいたのだと、涙がこぼれ落ちたいまようやく気がついた。
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さかさま(プロフ) - まぶぴちょこさん» わー！とても嬉しいお言葉です！励みになります！ありがとうございます^^ (2021年12月29日 16時) (
レス) id: 24f9a11766 (このIDを非表示/違反報告)
まぶぴちょこ(プロフ) - この話めちゃくちゃ好きです！！続き楽しみにしています！更新頑張ってください！ (2021年12月29日 9時) (レス) @page45 id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかさま | 作成日時：2021年12月24日 17時
