24 ページ25
USJ襲撃事件以降、雄英のセキュリティはさらに大幅な強化が施された。
かの有名な雄英体育祭、私は惜しくも表彰台に上がることはできなかったけれど、ありがたいことにいくつかのヒーロー事務所から指名をもらうことができて職場体験も充実したものになった。
何事もなく学校生活を送り、早くも初夏の季節。
しかし私はUSJ事件以降、自分の中で2つの悩みが生じていた。
その内一つ目はまだ自分でも判断しかねているので保留。
問題は二つ目の方だ。そう、死柄木弔について。
以来、彼の存在は私の生活に大きな影響を及ぼしている。寝ても覚めても彼のことが頭にチラついてしょうがないのだ。というか、寝ても覚めてもというより何度か夢にまで出てきている始末。
もちろん主君を見つけたなんて両親には報告していない。当たり前だが、相手が敵だと知れば反対されるに決まっている。
私の今の願いはただ一つ、彼に会って話がしたい。
私は彼のことをニュースで見た情報以外に何も知らない。
死柄木弔 男性 推定20代 触れたものを粉々にする個性
たったこれだけ。
そしてつい最近、保須市でヒーロー殺し"ステイン"が逮捕された事件に敵連合が関わっているという報道がされた。その際カメラ映像に映り込んでいる姿を見て、勢いだけで保須市へ向かおうとしたくらいには彼にもう一度会いたいのだ。
その後冷静になった頭で、黒霧というワープゲートと行動を共にしているため私が保須に着いた頃にはすでにいないだろうと考え思い直したのだが。
「はぁ…」
そんなこんなで死柄木弔には未だに接触することができず、ため息も出てしまうというもの。
「どうしたA、最近ため息多いぞー？」
「うーん悩みごとというか、ちょっとね」
三奈ちゃんにため息を聞かれてしまったらしく顔を覗き込まれる。いまは休み時間中だ。
「まさか恋煩い！？」
「ぶふっ」
興味津々な葉隠ちゃんのトンデモ発言に思わずペットボトルのジュースを吹き出しかけてしまった。
その反応に図星かと言わんばかりに2人はニヤニヤと私に詰め寄る。
「なに恋話！？もっと早く言えよーう！水臭いぞ！」
「だれだれ！？私の知ってる人！？」
「ち、違う！そんなんじゃなくて！」
「ちぇー違うのかよー」
慌てて否定すると先程までのキラキラした瞳から一転、つまらなさそうに口を尖らせている。
その様子に私は何故か罪悪感を覚えて余計なことを口走ってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 322人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さかさま(プロフ) - まぶぴちょこさん» わー！とても嬉しいお言葉です！励みになります！ありがとうございます^^ (2021年12月29日 16時) (
レス) id: 24f9a11766 (このIDを非表示/違反報告)
まぶぴちょこ(プロフ) - この話めちゃくちゃ好きです！！続き楽しみにしています！更新頑張ってください！ (2021年12月29日 9時) (レス) @page45 id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さかさま | 作成日時：2021年12月24日 17時
